2020 Fiscal Year Research-status Report
心不全病態におけるがん進行機序の解明 -脳・心・腫瘍連関への治療介入-
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20K08493
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
及川 雅啓 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30457775)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍循環器 / 心臓-腫瘍連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては、Balb/Cマウスへ心筋梗塞を作成し、乳がん細胞である4T1細胞を接種するSyngenicモデルの作成を行なっている。まず、適切な乳がん接種量を決定するために、10^2から10^6個の細胞数に設定した4T1細胞をマウス第4乳腺組織に接種をおこなった。予想のように乳がん細胞は細胞数に比例して増殖するため、増殖量から10^4が適切な細胞数であると設定した。次に心筋梗塞マウスモデルを作成した。マウス左前下行枝に結紮を行い心筋梗塞を作成した。まだ生存率がやや低く、手技の改善もまだ必要である。しかし、心筋梗塞作成2週後に4T1細胞を接種したマウスにおいては、shamマウスと比較して乳がんサイズが増大している結果が得られている。まだ、nが十分ではなく、確定的なことはいえないが、過去の文献でも同様の結果が得られているため、モデル作成手技は確立できたと考えている。 また、がん進展への交感神経の関与を判定するため、腫瘍組織の交感神経細胞染色(チロシン水酸化酵素)、神経栄養因子であるBDNF、BDNF受容体であるTrkBの免疫染色を行なっている。まだ、n数が十分ではないため、統計学的解析ができていないが、がん周囲に交感神経細胞数が増加している傾向を認めている。BDNFについては、抗体の条件設定がまだ十分にできていない。TrkBについては、4T1細胞、マウスモデルの腫瘍細胞それぞれに発現していることを免疫染色で確認した。今後心筋梗塞モデルにおいてBDNF, TrkBの発現量に変化が起きているか観察を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心筋梗塞モデルの生存率が低く、十分なnが得られていない。しかし、心筋梗塞モデルにおいてがん増殖が進行しやすいとの結果が得られている。心不全病態と腫瘍進展について、BDNF-TrkBのシグナル伝達を軸に解析を行うのが今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
心筋梗塞作成手技の向上を行う。免疫染色に適した抗体条件設定を早期に行う。また、BDNF-TrkB経路について免疫染色、ウエスタンブロッティング法を用いて検討を行なっていく。
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