2022 Fiscal Year Research-status Report
心房細動の周波数解析とローターの停留機序の解明による新たな標的の開発の臨床応用
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20K08495
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
熊谷 浩司 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (30400328)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 持続性心房細動 / 高周波数部位 / 渦巻き型旋回興奮波 / 心房内低電位領域 / 肺静脈隔離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、次の研究により持続性心房細動において高周波数部位での心房細動の駆動源である渦巻き型旋回興奮波(ローター)の機序をオンライン・リアルタイム不整脈映像化システムに着目し解明する。さらに、心房内低電位領域における傷害心筋・繊維化とローターの停留機序を解明し、持続性心房細動の新たな治療法の開発へ臨床的応用を目指す。 (1)高周波数部位でのローターの出現頻度とその機序 (2)心房内低電位領域の正確な評価(3)遅延ガドリニウム造影MRIによる心房の傷害心筋・繊維化の解析 (4)心房の傷害心筋・繊維化におけるローターの停留機序の解明 持続性心房細動における肺静脈隔離後の左心房内低電位領域の割合は、約97%の患者で、20%以下であり、左房拡大にもかかわらず軽度であった。再発群と非再発群間で、最大高周波数の値と、渦巻き型旋回興奮波の出現頻度に有意差を認めなかった。低電位領域は、中隔、前壁、下壁に多く認めた。遅延ガドリニウム造影MRIによる心房の傷害心筋・繊維化の解析については、現在解析中である。心房の傷害心筋・繊維化において、高周波数部位が心房細動の駆動源を表すと思われる。渦巻き型旋回興奮波の出現頻度については、持続性心房細動において肺静脈隔離後も多く認めるが、再発・非再発群で有意差を認めなかった。マッピング領域が広いため、精度が低くなった可能性がある。カットオフ値が3.3%と低いが、低電位領域が、再発・非再発群で有意差を認めた。 持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションにおいて、高周波数部位が、至適焼灼部位の候補であり、周波数解析を用いた心房細動基質の同定が予後の改善効果を向上できるかどうか、周波数解析を行い、高周波数部位焼灼群と高周波数部位非焼灼群を無作為に2群に割り付けし、有効性と安全性を多施設共同研究にて検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 本研究では、持続性心房細動において高周波数部位での心房細動の駆動源である渦巻き型旋回興奮波(ローター)の機序をオンライン・リアルタイム不整脈映像化システムに着目し解明する。さらに、心房内低電位領域における傷害心筋・繊維化とローターの停留機序を解明し、持続性心房細動の新たな治療法の開発へ臨床的応用を目指す。 現在までの進捗状況としては、高周波数部位でのローターの出現頻度とその機序、心房内低電位領域の正確な評価、心房の傷害心筋・繊維化におけるローターの停留機序の解明に関しては、現在データを解析中である。また、遅延ガドリニウム造影MRIによる心房の傷害心筋・繊維化の解析については、左房筋が薄いためその描出が難しく、正確な部位の同定が難しいことが判明した。 現在、持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションにおいて、初年度に測定されたデータをもとに至適焼灼部位を設定し、周波数解析を用いた心房細動基質の同定が予後の改善効果を向上できるかどうか、周波数解析を行い、高周波数部位焼灼群と高周波数部位非焼灼群を無作為に2群に割り付け、東北医科薬科大学病院臨床研究審査委員会の承認を得て進行中であるが、コロナ禍でもあり、症例のエンロールメントが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降の計画について、持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションにおいて、初年度に測定されたデータをもとに至適焼灼部位を設定し、周波数解析を用いた心房細動基質の同定が予後の改善効果を向上できるかどうか、周波数解析を行う高周波数部位焼灼群と高周波数部位非焼灼群を無作為に2群に割り付けし1年間フォローアップし、有効性と安全性を比較検討する多施設共同研究を、倫理委員会の承認を得て進行中であるが、コロナ禍でもあり、症例のエンロールメントが遅れている。 本試験実施のため、多施設共同研究システムを本学臨床研究支援センターと構築した。具体的には、症例登録センターを立ち上げ、web登録システムを構築し、症例登録や無作為2群割り付けと症例報告書への入力をクラウド上で行っている。本試験が適正に行われることを確保するため、モニタリングを実施する。コロナ禍も落ち着いてきており、今後、症例登録数の増加が見込まれる。
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Causes of Carryover |
2年目以降の計画について、持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションにおいて、初年度に測定されたデータをもとに至適焼灼部位を設定し、周波数解析を用いた心房細動基質の同定が予後の改善効果を向上できるかどうか、周波数解析を行う高周波数部位焼灼群と高周波数部位非焼灼群を無作為に2群に割り付けし1年間フォローアップし、有効性と安全性を比較検討する多施設共同研究を、倫理委員会の承認を得て進行中であるが、コロナ禍でもあり、症例のエンロールメントが遅れている。コロナ禍も落ち着いてきており、今後、症例登録数の増加が見込まれる。研究費残額の支出予定としては、症例登録・データ入力・モニターのための人件費、研究結果報告や、研究に必要な知識習得目的のための学会・研究会参加の費用、論文作成や投稿のための費用、データ解析のためのコンピューターやソフトウエアの購買に使用予定である。
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Research Products
(5 results)