2021 Fiscal Year Research-status Report
Muse細胞を用いた急性心筋炎の病態解明および新規治療法確立
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20K08496
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 晃男 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (20168454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
串田 良祐 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10707003)
相馬 良一 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20868054)
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
正和 泰斗 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70870195)
豊田 茂 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80332998)
井上 健一 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性心筋炎 / Muse細胞 / Muse細胞機能 / 心筋炎動物モデル / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎的研究:マウス心筋炎モデルを用いてMuse細胞の治療効果を検証するにあたり、現在外部施設においてウイルスおよび細胞の準備を行っており、今後マウス心筋炎モデル作成および治療効果を実証する予定である。 臨床研究:劇症型急性心筋炎症例を対象に、経時的に末梢血を採取し遠心分離により単核球分画を分離しMuse細胞数を経時的に測定を行っている。。Muse細胞はフローサイトメトリーを用いてSSEA-3陽性細胞として検出し同時にS1Pの動態観察を行っている。これまでに7例の劇症型心筋炎患者から検討を行った。このうち1例は残念ながら治療の甲斐なく亡くなってしまったが、ご家族の同意が得られ病理解剖を行った。心臓の組織および全身の組織を東北大学出澤研究所へ持参し、Muse細胞の局在につき検討を行ったところ、血管周囲や心外膜・心内膜側にMuse細胞の集積が認められた。また肝臓・膵臓・大網・皮下脂肪においてMuse細胞が散在していた。この症例ではMuse細胞数は5日目にピークを迎えていた。更に急性心筋炎では急性期に心筋生検を右室中隔から施行するが、本症例における心臓組織においてMuse細胞の観察を行ったところ、剖検時に比べはるかに多いMuse細胞の集積が観察され、急性期炎症時により強くMuse細胞が集積することを初めて明らかにした。さらにこれまでに当院で施行した急性心筋炎生検標本17例分を同様に検討しており、データ分析して発表する予定である。またコントロールとしての健常心筋組織におけるMuse細胞が集積しないことの証明や、剖検例でのデータ集積を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大により、マスクや手指消毒徹底されインフルエンザをはじめとしたウイルス感染症が以前に比べ激減しており、それに伴い急性心筋炎患者数も減少している。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス心筋炎モデルにおけるMuse細胞の治療効果検討を外部施設と連携して遂行する予定である。 臨床研究ではさらなる劇症型心筋炎症例の積み重ねと、これまでの心筋炎急性期の心筋生検標本で東北大学出澤研究所でMuse細胞を観察する予定である。
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Causes of Carryover |
マウス心筋炎動物モデルでの検証が当初の予定より遅れている。 コロナウイルスの影響で当院に入院する急性心筋炎患者数の減少により症例登録数がずれ込んでいる。 使用計画;基礎実験では今年度動物実験に使用する動物数、試薬などの支出が少なかった。繰り越した予算は次年度に行う実験に充当する予定で予算化している。また臨床研究では、登録症例の遅れにより次年度使用額が生じた。引き続き症例登録をすすめるとともに、各症例から得られたMuse細胞の動態解析、機能評価を次年度引き続き行う予定である。
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Research Products
(2 results)