2020 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的検体を用いたミトコンドリア心筋症の新規診断法の確立
| Project/Area Number |
20K08497
|
|---|
| Research Institution | Juntendo University |
|---|
Principal Investigator |
岡崎 敦子 (今井敦子) 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70761691)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 悟 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (70348796)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | ミトコンドリア心筋症 / ミトコンドリアDNA / 遺伝性心筋症 / 非侵襲的診断法 / digital PCR / 変異ミトコンドリアDNA率（ヘテロプラスミー率） |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
心筋症に最適化した変異ミトコンドリアDNA定量化システムの開発を行った。これまでに申請者らが行ったデジタルPCRを用いた条件検討の結果を踏まえ、ミトコンドリアDNAコピー数が血液、尿よりも多い心筋における最適なサンプル濃度を決定し（血液検体では90pg/ul、尿検体では100pg/ulの濃度が最適であるのに対して、心筋では数pg/ulのレンジで検出が可能な事実を同定）、心筋症に最適化した変異ミトコンドリアDNA定量化システムを開発した。さらに上記で開発した心筋症に最適化した変異定量化システムを用いて、同一患者における各臓器間での変異ミトコンドリアDNA率を比較した。特に心筋、血液、尿検体間での変異率を比較し、非侵襲的に入手可能な尿検体における変異ミトコンドリアDNAの検出精度を検証した。尿検体から抽出したDNAの質が個人によってばらつきがある事実を同定し、一定の質のDNAを入手するための条件検討を行った。さらに早期診断による新規治療を実現するため、肥大型心筋症に対してミトコンドリア機能を上昇させると期待される新規薬物の効果を検討し特許申請を行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた4つのうち、上記の通り心筋症に最適化した変異ミトコンドリアDNA定量化システムの開発および同一患者における各臓器間での変異ミトコンドリアDNA率の比較に成功している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後は尿検体から一定の質以上のDNA抽出を確保するための最適な実験条件の確立を目指すとともに、残りの2計画である解析対象とするミトコンドリアDNA変異種の拡大および変異ミトコンドリアDNA率と心筋症重症度・予後との相関のエビデンス構築を進める。得られた変異率と心筋症重症度・予後との相関に関して論文化を行い、さらにミトコンドリア心筋症に対する移植適応のエビデンス構築を目指す。
|
| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため、digital PCRを用いた検証実験の総数が当初の予定の初年度実施数よりも少なくなったため次年度使用額が生じたが、今年度予定数と合わせて今年度実施できる見込みである。
|
