2020 Fiscal Year Research-status Report
IPF合併肺癌におけるマクロファージ免疫チェックポイント分子制御機構の解明
Project/Area Number |
20K08511
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関根 郁夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10508310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 雅之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00198582)
鈴木 絢子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (00770348)
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
鈴木 敏夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70771856)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シングルセル発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症合併肺癌1例について、1.肉眼的にほぼ正常な肺実質、2.肺の線維化が高度な領域、および3.肺癌組織を切り出し、単一細胞標本を調整した。線維化の強い組織であったが、10x Genomics社 Chromiumシステムを用いるシングルセルRNA発現解析に十分耐えうるクオリティーを確保する実験プロトコールを確立できた。次にSeurat 3.0を用いて肺構成細胞のクラスタリング、クラスター特異的遺伝子の抽出を実施した。想定外に血管内皮特異的な遺伝子発現を有するマクロファージ/単球系クラスターを発見し、現在、マウス肺線維症モデル、マウス肺がんモデルにおいて同様の細胞群が存在するか検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症に対応のため当院での肺癌切除例が減少し、検体確保が遅れたため
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Strategy for Future Research Activity |
特発性肺線維症を背景に発癌した症例の解析について2021年度はさらに検体数を増やして解析を実施していく予定である。また、シングルセルRNAseqデータを用いて、がん細胞とそのニッチ環境下のマクロファージについてcell-cell interaction解析を実施し、繊維化領域特異的なマクロファージ由来のpro-carcinogenesisシグナル経路の同定を行っていく予定である。さらに、Pseudotime clustering analysisを実施し、ターゲットシグナルに関与するマクロファージの由来を検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症への対応により当院での肺癌切除例が減少して検体確保が遅れ、実験開始が遅くなったため。次年度では前記「今後の研究の推進方策」に従って実験を遂行するので、実験用試薬等の購入に使用する予定である。
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