2021 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー性気道炎症における侵害刺激受容体TRPV2の役割
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20K08513
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前澤 裕子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (00724923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アレルギー性気道炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
気管支喘息の有病率は国内外ともに増加傾向にあり、病態の解明に基づく新たな治療法の開発は喫禁の課題である。気管支喘息の病型のうち最も有病率の高いア レルギー性喘息ではアレルゲン刺激に対する気道炎症が病態の本質であり、その成立にはTh2細胞、Th17細胞、自然リンパ球(innate lymphoid cell (ILC))な どの血球系細胞や気道粘膜上皮細胞などの関与が判明している。一方、近年、侵害刺激受容体であるTransient receptor potential (TRP) channel familyの 気道での役割についても注目され始めている。本研究者はTRP channel familyのTRPV2に着目し、アレルギー性気道炎症におけるその役割と作用機構を明らかに することを研究目的とした。令和3年度は研究計画1:アレルギー性気道炎症局所におけるTRPV2の発現と役割の解析に基づき、1) 抗原誘発性気道炎症における TRPV2発現細胞の解析を目的とし、チリダニ(house dust mite (HDM))誘発性気道炎症モデルマウスを用い、気道におけるTRPV2遺伝子の発現の解剖学的な局在お よびその経時的変化についてデータを収集し解析を行った。また、並行して2)細胞種特異的遺伝子改変マウスの樹立とTRPV2発現の気道炎症への影響の解析を 目的として、細胞種特異的遺伝子改変マウスの樹立のためにサブクローニングの手法を用いてターゲティングベクターの作成を行った。TRPV2と喘息との関連に ついて示唆する既報はあるが、アレルギー性気道炎症モデルを用いて個々の細胞種に着目しTRPV2の役割を詳細に検討した報告は未だなく、本研究における成果 が喘息のみならずアレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患などの上皮を主座とする炎症性疾患の病態解明にも貢献する可能性を秘めている点からも意義が大きいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は研究計画1-2)細胞種特異的遺伝子改変マウスの樹立とTRPV2発現の気道炎症への影響の解析、1-3) ILC2に発現するTRPV2の機能解析、1-4) TRPV2の気道バリア機能への影響の検討、研究計画2気道炎症におけるTRPV2の作用機構の解析を予定し、研究計画3喘息患者におけるTRPV2発現と病型との関連の解析に関しても並行して準備を計画していたが、研究計画1については予定通り、研究計画2についても順調に進行中であり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題の推進方策として、研究計画1-3)ILC2に発現するTRPV2の機能解析および4)TRPV2の気道バリア機能への影響の検討をより推進することで、各種炎症細胞および気道上皮といった気道各部位におけるTRPV2の意義をより多角的に検討する。また、研究計画2気道炎症におけるTRPV2の作用機構の解析に関しても並行して基礎データの解析を行うこととする。
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Causes of Carryover |
免疫組織的解析に必要とした抗体等の試薬が当初予定よりも安価で購入できたことから、実際の購入額が減り次年度使用額が生じた。次年度、免疫染色用抗体等の追加購入に充てる予定である。
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