2020 Fiscal Year Research-status Report
複合的オミクス解析を用いて探る、肺胞微石症の分子病態と新規治療法の開発
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20K08521
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
齋藤 充史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00768939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤谷 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10374191)
高宮 里奈 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (70365419)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺胞微石症 / 治療法開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は希少難治性呼吸器疾患に興味を持ち研究を進めてきた。その一環として肺胞微石症に対するマウスモデルを作製し新治療法の開発に取り組み (Sci Trans Med, 2015)、また特発性肺線維症に対する新たな視点として肺マイクロバイオームに着目した (Resp Res, 2018)。近年、こうした生体分子を網羅的に解析するオミクス解析の技術が急速に進展し、糖尿病、癌などの領域で有用な分子標的が数多く見つかっている。しかし希少疾患においては対象が限られることや予算の関係からオミクス解析の報告は極めて限定される。そのため、本研究では、申請者らが経験豊富なオミクス解析技術と肺胞微石症マウスモデルを用い、病態の分子基盤の解明・確立と臨床に直結するトランスレーショナルな成果を創出する。本研究の結果、当該技術が他の希少肺疾患の病態の分子基盤に関する研究の現状を打破する先駆技術と位置づけられ、希少難治性呼吸器疾患克服研究の推進に貢献することを目指す。 本年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う臨床業務が増大したこともありやや研究は遅れているものの、データは揃いつつあるため論文投稿に向けて現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな治療法開発としてこれまで明らかになった低リン食療法を応用して、慢性腎不全に適応のあるリン吸着剤を同疾患に応用する検討をおこなっている。これ までに低リン食と同様に治療効果を認め、副作用も許容範囲内であることがわかってきた。また分子病態の解明にあたり、プロテオミクス解析・リピドミクス解 析・3D顕微鏡などを駆使して、肺胞マクロファージを中心とした微石のリモデリング、脂質貯留に至るメカニズムmの解析が進行中である。現在までにマクロ ファージ関連因子やアラキドン酸代謝など同疾患に特徴的と思われる結果を得られており、論文投稿を目指しているが、新型コロナウイルス感染症により業務量が増大したことや動物実験施設部移転の影響でやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験施設部の移転が完了次第実験を再開し、論文投稿を進める。
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Causes of Carryover |
申請者は呼吸器内科医であり新型コロナウイルス感染症に伴う業務量の増大、および大学施設移転にともなう動物実験施設部の使用制限などがあり実験が予定通り遂行できなかった。および緊急事態宣言等に伴い学会や研究会が中止やオンライン開催に移行したことで旅費も減少したため。 今年度はある程度緊急事態でも実験を遂行する計画を立てており論文投稿およびreviseに伴う実験を進める予定である。主に疾患モデルマウスに対するサイトカイン投与による効果の確認などを計画中であるので昨年度予算も含めて実験を遂行する予定である。またすでにオンラインであるがひとつ学会発表を終えており、同様の形でいくつかの学会での研究成果の発表も検討している。
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Research Products
(6 results)