2022 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎球菌性肺炎においてSectm1aが好中球の肺への集積に及ぼす影響と機序の解明
Project/Area Number |
20K08523
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鎌田 浩史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (60528545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺炎球菌性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎球菌感染時に肺内に好中球が集積する機序はこれまで広く研究されてきていた。本研究では、特に細菌が肺内に侵入した際に門戸となる気道上皮細胞がサイトカインネットワークによって免疫担当細胞といかにクロストークを持ち、細菌の排除、そして生体防御に寄与するかを解明することを目的としている。本プロジェクトにおいて、細菌の排除の中心的役割を果たす、好中球の肺内への遊走を制御する機構が明らかになりつつある。前年度は好中球の遊走を制御する細胞集団として特定のリンパ球が関与している可能性に焦点をあて、興味深い知見を得た。そして、当該年度ではリンパ球上のSecm1aのレセプターを検索することを目的として、新たなノックアストマウスを用いた実験を行った。特定のリンパ球集団上のレセプターを明らかにし、Sectm1aの作用機構をより詳細に解明しつつある。具体的には、Sectm1aが肺炎球菌性肺炎において生じた肺内の炎症が過剰になった際に果たす役割、機能が明かになりつつある。マウスSectm1aはリコンビナント蛋白が実験試薬として使用できるため、生体での機能はex-vivoの実験によっても補完される。 肺炎における、Sectm1aの生体での機能を証明した研究は、現時点まで存在しておらず、我々が独自に作成したノックアウトマウスを用いた研究により、重症肺炎球菌の病態がより明らかになり、新たな治療戦略の構築に貢献することを目的に引き続き研究を推進している。 最終年度は、特にマウスSectm1aはリコンビナント蛋白を用いたex-vivoの実験から多くの知見を得た。また好中球の遊走に関わるサイトカインネットワークをより詳細に明らかにした。
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