2021 Fiscal Year Research-status Report
呼吸器疾患におけるIgAの病原性作用の解明と予防法の開発
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20K08526
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鈴川 真穂 帝京大学, 医学部, 助手 (20453699)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IgA / レセプター / サイトカイン / ANXA2 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでIgAの主に呼吸器構成細胞、気道上皮細胞、肺線維芽細胞に対する病原性作用を報告してきた。本研究はIgAの呼吸器疾患に対する病原性作用とその機序を明らかにし、IgAをターゲットとした治療介入の可能性を探求することを目的とする。 初年度は、呼吸器構成細胞として重要である気道平滑筋細胞に対するIgAの役割を明らかにした。IgAは気道平滑筋細胞からのサイトカイン産生を増強し、その増殖能を亢進することを見出し、論文を投稿中である。 次年度は、気道上皮細胞を用いた研究からIgAの新規レセプターANXA2を同定し、論文が採択された段階である。 最終年度はIgAを用いたin vivoの実験を行い、3年間の研究を総括する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は主に平滑筋細胞を用いた研究から、in vitroにおけるIgAの病原性作用を明らかにし得た。次年度は、IgAと気道上皮細胞を用いた研究から、IgAに対する新規レセプターを同定し、論文が採択された段階であり、進捗状況は概ね順調である。現在、予備実験で見出しているin vivoでのIgAの病原性作用に関しての実験を進めており、最終年度にはその作用を明らかにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
IgAの病原性作用をin vitroの実験系でさらに解明し、論文として公表したい。また、in vivoの実験に関し、倫理審査委員会による承認は得られ、実験を開始している。最終年度には、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎などの慢性呼吸器疾患に対するIgAの病原性作用の有無とその機序を明らかにする方針である。
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Causes of Carryover |
今年度は主にin vitroの実験を行い、IgAの新規レセプターの同定にエフォートを費やした。そのためマウスを用いたin vivoの実験の進行が遅れ、未使用額が生じた。次年度以降は、in vitroの実験に加えin vivoの実験を行う予定としているため、今年度未使用額を充てる。また、論文の公表にも充てる予定である。
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Research Products
(11 results)