2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of CD8+ T cell exhaustion in lung cancer
Project/Area Number |
20K08531
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
西中村 瞳 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (90597692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板橋 耕太 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (10828990)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 疲弊化 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん免疫療法ではがん細胞を特異的に攻撃できるCD8+T細胞が重要な役割を担う。しかし、CD8+T細胞が慢性的ながん抗原刺激により疲弊して機能不全になった場合には、免疫療法の効果が低下する。公開されている肺がんの腫瘍内浸潤リンパ球のデータより、CD8+T細胞が疲弊化する際に発現するマーカーであるPD-1, CD39, TIM-3とTOX1, TOX2の発現は正の相関関係にあった。本研究では非小細胞肺がんにおいて、ヒトCD8+T細胞が疲弊する分子機構を、転写因子TOX1およびTOX2の役割を明確にすることで解明する。 ヒトPD-1遺伝子上流のプロモーター・エンハンサー領域を用いたDNA結合部位の解析を行った。Jurkat細胞を用いた一過性のルシフェラーゼアッセイにて検討を行った。コントロールとしてNFATを使用し、TOX1、TOX2だけでなくPD-1の発現に関与する報告があるそのほかの転写因子Runx3, Helios, T-bet, EOMES, TCF1なども同時に検討を進めた。PD-1の上流部分は大きく分けて3領域を使用して実験を進めているが、ルシフェラーゼアッセイの結果によって重要な部分を特定する予定である。さらにマウスの担がん実験も進行中である。肺がん細胞株LL/Cや3LLなどを使用して皮下移植モデルと尾静脈投与モデルを作製した。これらのモデルの腫瘍内浸潤リンパ球の解析を進めている。さらにTox2の細胞特異的ノックアウトマウスも導入できたため、PD-1抗体治療を行った場合などの検討を進める予定である。ヒト検体を用いたTOX1およびTOX2の発現・誘導の解析も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作用機序の解析は順調に進んでおり、マウスの担がんモデルも作製出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト検体を用いた解析を進め、Tox2だけでなくTox1の細胞特異的ノックアウトマウスの解析に着手したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初はマウスの実験にもう少し条件検討が必要であると考えていたが、別の実験の予備実験を参考にすることができたため、anti-PD-1療法の効果がある場合とない場合について、条件検討が必要なくなったため次年度使用額が生じている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] The PD-1 expression balance between effector and regulatory T cells predicts the clinical efficacy of PD-1 blockade therapies2020
Author(s)
Kumagai S,Togashi Y,Kamada T,Sugiyama E,Nishinakamura H,Takeuchi Y,Vitaly K,Itahashi K,Maeda Y,Matsui S,Shibahara T,Yamashita Y,Irie T,Tsuge A,Fukuoka S,Kawazoe A,Udagawa H,Kirita K,Aokage K,Ishii G,Kuwata T,Nakama K,Kawazu M,Ueno T,Yamazaki N,Goto K,Tsuboi M,Mano H,Doi T,Shitara K,Nishikawa H
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 21
Pages: 1346~1358
DOI
Peer Reviewed / Open Access