2020 Fiscal Year Research-status Report
血球吸着モデルを用いたLAM患者におけるシロリムス最適薬用量決定法の提案
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20K08537
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 崇裕 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70455400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (80207802)
北村 信隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90224972)
高田 俊範 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (40361919)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シロリムス / 薬物動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的となる全血中のシロリムス薬物動態における血球吸着モデル構築の第1段階と位置づけているin vitro のシロリムスの赤血球への結合試験については2020年度終了時までにすでに実測値を得ている。そこで得られた実測値からは、当初から想定した通りに全血中において赤血球へのシロリムスの吸着量には限界があることが示唆された。また赤血球への吸着量の限界がシロリムスの血中濃度により変動することから単純に赤血球へのシロリムス吸着量を一定と仮定してモデル化を行うことが難しいということも明らかになってきた。 そこで、モデル化の予定を微修正して第2段階として構築するシロリムスの薬物動態モデルについて2-コンパートメントモデルにより説明できるかを確認することとした。血球吸着モデルの構築手法としては過去に行われたリンパ脈管筋腫症(LAM)患者を対象とするMLSTS医師主導治験のPK測定データについて薬物動態解析ソフトであるPhoenix NLMEを用いて母集団を対象とした血球吸着モデルの検討を進めている。現在までに行った予備的な検討では当該治験で測定されたシロリムス1-3mg服薬のPK測定データの全て用いてモデル化を行うとモデルが不安定であったため、初期のステップとしてシロリムス服薬量を規定用量に固定した基本となるモデルを検討することした。現在、シロリムス2mg群を対象として母集団のモデル化を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去の治験PKデータからの血球吸着モデルの再構築にPhoenix NLMEを用いたモデル化を試みている。当初の想定と若干異なるin vitroのデータが得られたため、薬物動態解析ソフトの専門家からアドバイスを受けながら進めているが現在、当院のコロナ対策の一環で出張が制限されておりWeb会議のみでの打合わせ中心となったことで若干意思の疎通に齟齬が生じたことからスケジュールの修正を行ったため
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Strategy for Future Research Activity |
Web会議システムと動態解析に必要なPCの整備を行った。今後は服薬量3mg群、1mg群に拡張してモデルのテストを行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
当院のコロナ禍対応の関係で予定していた2020年度の出張及び研究相談を中止した。またスケジュールの遅れを勘案して2020年度に契約したソフトウェアのライセンスについては現段階で必要な機能のみに限定したため。今年度以降に改めてライセンス契約を拡充する予定となっている。
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