2020 Fiscal Year Research-status Report
多様なリンパ球増殖性肺病変の局所リンパ球のプロファイリングとバイオマーカー開発
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20K08553
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
寺崎 泰弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50332870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 美佳 日本医科大学, 医学部, 助教 (50372785)
遠田 悦子 日本医科大学, 医学部, 助教 (00589327)
康 徳東 昭和大学, 医学部, 助教 (00571952)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ球増殖性肺病変 / IgG4関連病変 / MCD / 肺の線維化、のう胞化、結晶化 / 局所リンパ球のプロファイリング |
Outline of Annual Research Achievements |
Crystal storing histiosytosis(CSH)合併MALT例において結晶は組織球・形質細胞の細胞内のみに存在した。一方Crystalglobulinemia syndrome(CGS)合併MM例において結晶は肺組織球内と肺胞腔、腎尿細管腔などの細胞外にのみ存在し、骨髄の形質細胞内や周囲細胞外には見られなかった。対照として施行した、“結晶のない多発性骨髄腫MM5例”では骨髄形質細胞の内・外には結晶は認められなかった。 結晶およびそのソースである形質細胞をレーザーマイクロダイセクションで、ピンポントでサンプリングを行い、LCMS/MS解析した。CSH合併MALT例では形質細胞から低頻度のκ-V region ((Spectra:0)とIgM (1)が検出されたが、結晶からは高頻度spectra(9)のκ-V region が検出された。CGS合併MM例では、骨髄形質細胞から低頻度のλ-2 C region (2)と IgG-1 C regionが検出されたが、結晶からは高頻度のλ-2 C region (20)とIgG-1 C region(6)が検出された。対照とした“結晶のないMM5例”の形質細胞からは少~中頻度のIgAやκが検出されたのみであった。形質細胞から検出されたImmunoglobulinのspectraは低頻度であったが、結晶からは高頻度の検出がなされた。CSH合併MALT例では組織球・形質細胞の細胞内のみに存在しており、異常増殖したImmunoglobulin が細胞内でのみ結晶化していると考えられた。CGS合併MM例では肺組織球内と肺胞腔、腎尿細管腔の細胞外にのみ見られ、骨髄細胞内・外では認められなかった事から、異型形質細胞から過剰分泌されたImmunoglobulin が肺胞腔内や尿細管腔の細胞外で結晶化した可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Crystal storing histiosytosis(CSH)例とCrystalglobulinemia syndrome(CGS)例などクリスタル関連のリンパ球増殖性病変の解析は、いくらか進めてられている。しかしIgG4やMulticentric Castleman's disease関連の肺病変などは、コロナ禍の影響により、サンプルの確保がなかなか困難であった為、予定の症例の解析があまり進んでいない。またCOVID-19の対応により解析実行者の時間確保が難しくなるとともに、解析機械のメンテナンスも滞るなど解析環境に支障が生じ研究進行に大幅な遅れが生じている。その他、有害事象発生はなく、倫理指針を遵守し研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
Crystal storing histiosytosis(CSH)例とCrystalglobulinemia syndrome(CGS)例においては、症例数を増やしして優位な差があるかのか確認する。 コロナ禍の影響はあるが、IgG4やMulticentric Castleman's disease関連の肺病変などは、サンプルの確保を進め、届いた症例から、速やかにレーザーマイクロダイセクションでサンプリングを行いLCMS/MS解析を行う。コロナ禍の影響もあり、当施設のLCMS/MS解析機械のメンテナンスや解析が滞る場合があったが、共同研究者である昭和大学の康 徳東に依頼し、昭和大学のLCMS/MS解析の機械も使って検討を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品費用などが予定より少なく済んだので、次年度の消耗品などに回す予定である。
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Research Products
(5 results)