2020 Fiscal Year Research-status Report
特異的な間葉系幹細胞マーカーMeflinを介した腎線維化の機序解明と治療法の開発
Project/Area Number |
20K08589
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 尚二 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00635609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10362253)
古橋 和拡 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50835121)
榎本 篤 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20432255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定として、以下を計画していた。1)Meflinの正常腎ならびに疾患モデルマウスにおける発現を正常マウスならびにMeflinノックアウトマウスを用いて解析する。2)Meflin陽性細胞の腎線維化に関する役割をMeflin-CreERT2;Rosa26-LSL-tdtomatoマウスを用いて経時的・空間的に系譜追跡し解明する。3)Meflin-ZsGreen-DTR-Creマウスを用いてMeflin陽性細胞を消去し、その役割を解明する。4)Meflinの発現を誘導することにより、腎線維化進展や臓器不全の予防につながる治療法を開発する。 これらの計画のうち、主に1)と2)について主に実験を進めた。既に腎臓におけるMeflinの発現の検討を行っており、正常腎においてはMeflinが腎間質の他にも糸球体門部や一部血管壁に分布していることを確認している。更にマウスに腎線維化を誘導すると、線維化部位に一致してMeflinの発現が増強することを確認している。更には糸球体門部付近においてMeflinとReninが一部共発現することが確認された。Meflin陽性細胞にはReninを産生する可能性が示された。 Meflin-CreERT2;Rosa26-LSL-tdtomatoマウスにタモキシフェンを投与することにより、Meflin陽性細胞を赤く光らせることができ、Meflinの細胞系譜を特異的に追跡することができるようになった。このマウスを用いて解析を進めたところ、改めてMeflin陽性細胞が間質ならびに糸球体門部やその近辺の血管壁な局在する事が確認できた。このマウスに腎線維化を誘導したところ、線維化マウスにMeflin陽性細胞が増える事も確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Meflinノックアウトマウス、Meflin-CreERT2;Rosa26-LSL-tdtomatoマウス、Meflin-ZsGreen-DTR-Creマウスを用いた解析を予定している。これらのうち、主にMeflin-CreERT2;Rosa26-LSL-tdtomatoマウスを用いた解析が進んでいる。 引き続きこれらの遺伝子改変マウスを用いて、更なるMeflinの発現や動態を明らかにする予定であるが、遺伝子改変マウスの出生数が少なく、研究に必要な動物数を確保する事が困難であり、若干予想通り実験計画が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、引き続き以下のマウスの表現型の解析を行っていく。 1)Meflinの正常腎ならびに疾患モデルマウスにおける発現を正常マウスならびにMeflinノックアウトマウスを用いて解析する。2)Meflin陽性細胞の腎線維化に関する役割をMeflin-CreERT2;Rosa26-LSL-tdtomatoマウスを用いて経時的・空間的に系譜追跡し解明する。3)Meflin-ZsGreen-DTR-Creマウスを用いてMeflin陽性細胞を消去し、その役割を解明する。
更には最終的にはMeflinの発現を誘導することにより、腎線維化進展や臓器不全の予防につながる治療法を開発することが目的である
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Research Products
(2 results)