2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of Regulatory Mechanism of Vitamin D- Vitamin D Receptor System in Cardiovascular Tissues in Uremic Milieu
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20K08598
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
緒方 浩顕 昭和大学, 医学部, 教授 (30296959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝渕 正英 昭和大学, 医学部, 准教授 (90465203)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビタミンD / ビタミンD受容体 / 尿毒症 / CKD-MBD |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は『尿毒症下の心血管細胞のauto/paracrine mechanismによるVD活性化調節の役割』を解明することであった。この着想に至った理由は、in vitro実験系、動物実験ではVD製剤投与による心血管保護作用が観察されるが、ヒトではVDの活性化障害が生じている慢性腎臓病においてvitamin D製剤投与による臨床的有益性がみられないことである。作業仮説として、VD投与によるVD受容体(VDR)活性化ないしはその下流にある細胞内シグナル伝達に、尿毒症病態下ではnegative regulatorが存在し、局所にVDR活性化による心血管保護作用を阻害していると考え、研究計画を立案した。 DOCA負荷高血圧マウスでは、VD-VDR活性化の保護効果がFGF-23発現増加のより阻害されることを見出し、その機序としてFGF-23によるVD活性化酵素、CyP27b1の抑制が重要であることを明らかにした。つまり、外因性VD製剤の投与は局所のFGF-23過剰発現によるCyP27b1活性化抑制に伴うVD活性化低下を惹起し、VDR活性化が抑制される可能性がある。腎亜全摘CKD、大動脈縮窄モデルにおいて、同様のFGF-23の過剰発現を介した局所のVD-VDR系に対するnegative regulationについての研究を行い、現在、データ解析を行なっている。この結果は今後、英文誌に投稿予定である。 COVID-19禍で基礎研究が進展させることが出来ない期間は臨床研究のデータセットを用いてCKD-MBDにおけるVD-VDR系活性化の障害の臨床的問題点を検証した論文をTher Apher Dial誌(IF2.2)に2編発表した。また、本研究の一連の結果を取り入れた総説がJ Atheroscler Thromb (IF 4.4)にアクセプトされた。
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