2021 Fiscal Year Research-status Report
Arginine metabolism and autophagy, elucidation of mitochondrial protection mechanism in kidney
Project/Area Number |
20K08610
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳥巣 久美子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20448434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 敏昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10432931)
土本 晃裕 九州大学, 大学病院, 助教 (50572103)
原 雅俊 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (60626092) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルギナーゼ / アルギニン / 腎線維化 / スペルミジン / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
アルギナーゼは一酸化窒素合成酵素(NOS)の基質であるL-アルギニンを分解する酵素である。アルギナーゼ2(Arg2)は血管内皮細胞、腎尿細管、マクロファージに特に高く発現し、ストレスにより発現が誘導されるがその意義は不明である。本研究では慢性腎障害においてARG2がどのような役割をするか明らかにするため、一側尿管結紮術(UUO)による腎臓の線維化モデルを作成した。UUOにより線維化した腎間質では尿細管に強くARG2が発現していた。正常腎とUUO腎においてメタボローム解析を行ったところ、アルギニン代謝が最も活性化していた。UUO腎ではアルギニン、アルギニンの代謝物であるオルニチン、プトレッシン、スペルミジンが増加していた。免疫染色においても、UUO腎ではARG2の発現は亢進していた。アルギニンの代謝物であるスペルミジンを尿細管細胞(HK-2)に添加したところ、Nrf2の活性化誘導が確認できた。また尿細管における線維化シグナルであるTGFβやcollagen 1A1はスペルミジンの投与により有意に抑制された。スペルミジンの投与により、HK-2でのオートファジー誘導も確認した。この現象を個体レベルでも確認したところ、Arg2ノックアウトマウスでは腎間質の線維化が増悪しており、コラーゲンI、αSMA、TGFβの発現が亢進していた。またArg2ノックアウトマウスのUUO腎ではNFκBのリン酸化の増加、一方でNrf2の核移行の低下を観察した。スペルミジンなどのアルギニン代謝物は慢性の腎臓の線維化において保護的に働く可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Arg2ノックアウトマウスの解析は終了し、得られた表現型の機序を説明できる実験結果を細胞培養で得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
アルギニン代謝の重要性を腎尿細管細胞を中心に明らかにしてきたが、次はマクロファージ、血管内皮細胞を対象に研究を進める予定である。
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