2021 Fiscal Year Research-status Report
急性腎障害の遷延機序解明を通した慢性腎臓病の重症化抑制法の開発
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20K08614
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
岡田 浩一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60233342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 勉 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30406475)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎線維化 / 尿細管上皮細胞 / 形質転換 / 細胞周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fucci2aRマウスとgGT.Creマウスの交配により、尿細管上皮細胞が細胞周期に対応して異なる蛍光を発するgGT.Cre;Fucci2aRTg/+マウス(G1/S期:mCherryによる蛍光、S/G2/M期:mVenusによる蛍光)を作出し、片側尿管を結紮する一側尿管閉塞(UUO)モデルと腎動脈を短時間クランプし開放する虚血・再灌流障害(IRI)モデルを作成し、短期から中・長期の腎組織病変における尿細管上皮細胞の細胞周期の変化を評価した。既報ではmVenusによる蛍光は488nmレーザー:525/50nmバンドパスフィルターで検出するとされていたが、尿細管上皮細胞の自家蛍光レベルと一部重なるために、特異的なシグナル検出が困難であった。そこで検出条件を再設定(515nmレーザー:528nmバンドパスフィルター)したところ、特異的なシグナル検出が可能となった。腎組織を透明化して観察したところ、両モデルとも急性期からmVenus陽性のG2/M期に休止した尿細管上皮細胞数が増加することが明らかとなった。これらの細胞の形質を評価するため、様々な線維化形質マーカーの免疫染色を行うこととし、腎パラファイン切片および凍結切片を用いた、mVenuscellとの二重染色条件を設定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度中に腎尿細管上皮細胞を単離し、mVenus蛍光陽性細胞をFACSにより回収し、そのmRNA検体を用いたcDNAマイクロアレイを実施する予定であったが、細胞単離の過程で損傷が著しく、FACSによる細胞の回収に成功していない。現在、様々なプロトコールを試して単離細胞の質の向上を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
cDNAマイクロアレイを用いたmVenus陽性・G2/M期休止尿細管上皮細胞の網羅的な形質評価は、本研究期間中に成果を得ることは困難と考えている。そこで腎組織切片において、形質マーカーの特異抗体を用いた免疫二重染色により、同細胞の形質を検討していく。
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