2020 Fiscal Year Research-status Report
前向き研究に向けたIgA腎症の組織学的重症度分類の解析プラットフォームの構築
Project/Area Number |
20K08623
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
齊藤 成 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10456444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
片山 鑑 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90742247)
熊本 海生航 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究サポートセンター, 講師 (10469322)
鏡 裕行 徳山大学, 福祉情報学部, 教授 (00347824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IgA腎症 / プロテオミクス / 数理モデル / 電子顕微鏡解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症の糸球体と尿細管の解析プラットフォームの中心的役割であるオミックス解析の質の向上を進めた。糸球体及び尿細管障害おける脂質蓄積が起きることに着目し、電子顕微鏡上でオスミウム沈着が豊富に見られる高脂肪マウスを用いて、尿中で安定性が高いと考えられるスフィンゴミエリンとセラミドを解析し、電子顕微鏡上の脂質沈着量と量とある程度相関することが示唆された。そこで、現在パラフィン組織切片を用いても、スフィンゴミエリンとセラミドを測定できるかについても検討している。スフィンゴミエリン蓄積は、慢性腎炎の悪化につながる一つの指標と考えている。パラフィン切片を用いた、マクロダイセクションとレーザーマイクロダイセクションの二つから、マウス及ぼひと腎臓組織からプロテオミクスを行った。ライカのレーザーマイクロダイセクションで10um厚のHE染色されたパラフィン切片から、糸球体40個を切り出しタンパクを抽出し、タンパク数で約400個を解析できた。マクロダイセクションを用いた腎組織全ての大きな面積(2mm平方)での腎臓組織では、糸球体に加えて尿細管部分を含めて約1700個のタンパク数が解析できている。レーザーマイクロダイセクションで切り抜く糸球体の数を少なくし、抽出効率を上げるために、現在、Covarisを用いた超音波と加熱処理を進めている。電子顕微鏡解析は、数理モデルの解析に必要な画像の取得は3次元SBF-SEM画像とTEM画像は済んでいる。血管から基底膜に流れるフローを算出する数理モデル計算式を導き出すための模式図を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症に蔓延により、前半の緊急事態宣言があり研究の遂行が思ったより進まなかった。後半に入り、レーザーマイクロダイセクションの効率が上がり、プロテオミクスの方法の改善も進み、研究室のスタッフの増員もあったため、遅れを取り戻しつつある。数理モデルのついては、糸球体の文献をかなり精査した結果、フォーカスするポイントは絞れた。現在、一次繊毛の数理モデルの分担研究者との論文起筆が遅れているため、改善していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
IgA腎症のプロテオミクスについては、マクロファージ浸潤と糸球体と尿細管の関係に着目して進めていく。マクロファージ浸潤による組織炎症と血管周囲のリン酸化タンパクの解析に重点を置いて、解析を進めていく。
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