2021 Fiscal Year Research-status Report
前向き研究に向けたIgA腎症の組織学的重症度分類の解析プラットフォームの構築
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20K08623
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
齊藤 成 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10456444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
片山 鑑 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90742247)
熊本 海生航 藤田医科大学, 疾患モデル教育研究サポートセンター, 講師 (10469322)
鏡 裕行 徳山大学, 福祉情報学部, 教授 (00347824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロテオミクス / IgA腎症 / レーザーマイクロダイセクション |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症の糸球体と尿細管の解析プラットフォームの中心的役割であるプロテオミクス解析の質の向上に努めた。昨年度、糸球体40個をレーザーマイクロダイセクションで切り出して、LC-MSに解析し、約400個のタンパク質を解析できていた。本年度は、プロテオミクスの解析能力を増やすために、各ステップごとで改善点の洗い出しを行なった。その結果、糸球体40個をレーザーマイクロダイセクションで切り出して、L C-MSで解析し、約1100個以上タンパク質が同定できた。同定されたタンパク質の中には、糸球体特異的なタンパク質(ネフリン、ポドシンなど)も認められた。二倍以上の蛋白同定数の飛躍的な改善があった。改善を行うために、以下の点を検証し、解析方法を決定している。レーザーマイクロダイセクションで切り出す際の特殊な専用のスライドを3種類(POL,PEN,Director)によりプロテオミクスの解析に違いがあるのかを試した。超音波処理(Bioraptor, Covaris)は2種類の機器を試した。また、蛋白溶解液を2種類(PTS buffer, SDS buffer)による違いも試した。蛋白量の測定方法(microBCA, 2DQuant kit, EZQ kit)も検討した。蛋白抽出方法(PTS法、SP3法)である。同定数を大きく向上させたのは、蛋白抽出方法SP3法であった。SP3法は蛋白抽出液の中の界面活性剤の除去が優れていた。超音波処理のCovarisは蛋白抽出の能力は優れていたが、専用スライドのフィルムを掛けるとフィルムからのコンタミが起きてしまった。フィルム方式でないDirectorを用いて、SP3で試してみた結果、同定数は約500個と同定数が悪かった。現在は、PEN or POL-PTS-Bioraptor-SP3の方法でIgA腎症の病態解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までのLMD-プロテオミクスの解析力では、現在論文や学会で発表されている糸球体プロテオミクスの同定数(300~1000タンパク質)の中では低い方にあったため、今年度は発表されている糸球体プロテオミクスの1000以上を目標に方法の改善に取り組んできた。また、糸球体プロテオミクスに用いられている糸球体数も通常の100個に比べて、40個と少ない上に、方法は全て溶液中で行えるために簡素化された。昨年度進めていた、数理モデルの論文が投稿原稿ができてきており、投稿直前まで来ている。一方で、プロテオミクスの解析に用いるLC-MSの費用がかかるため、解析にかけられる検体は限られている。
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Strategy for Future Research Activity |
LMD-プロテオミクスの方法は決まったので、健常者と病態(IgA腎症)との比較を進めたい。健常者のサンプルも5検体分のパラフィンブロックを購入したため、IgA腎症との統計比較が行えるようにしてある。プロテオミクスの解析数をある程度絞り込み、LMD-プロテオミクスの解析方法の論文としてまずまとめる方向に定めた。プロテオミクスの同定が済んでからの解析にも時間がかかるため、事前に既出論文(LMDプロテオミクス関連)をチームメンバーと輪読しているので、データの解析も速やかに行うことで、論文化を急ぎたい。
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Causes of Carryover |
今年度の実験計画が順調に進み、予定していた物品の消耗も少なく済んだ。また、学会等の旅費がなかったため、費用が余った。
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