2021 Fiscal Year Research-status Report
Usefulness of Basigin as a novel therapeutic target for diabetic kidney and liver diseases
Project/Area Number |
20K08632
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小杉 智規 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90584681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 佳哉輔 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00836306)
佐藤 由香 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60846864)
加藤 規利 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90716052)
門松 健治 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80204519)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ベイシジン / 乳酸 / ピルビン酸 / ミトコンドリア / TCA回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初の課題である「Bsgは何に制御され、どの程度、乳酸やピルビン酸の細胞内輸送に関与するか。」に関して、13C3標識されたピルビン酸と乳酸を安定同位体として作成し、前年に引き続き更なる検証を肝細胞初代培養細胞およびcell lineを使用し、細胞内取り込みとその利用効率に関し検証した。 Static metabolomicsの腎臓尿細管細胞の結果と同様に、13C標識のCarbonの取り込みに関して、TCA 回路の中間代謝産物、糖新生系物質はBsg遺伝子欠損マウスにて有意に減少を示した。オキサロ酢酸のように測定が困難であるTCA回路内の中間代謝産物を除いて、30%から70%程度の低下となっていた。また、糖新生系については、Bsg遺伝子欠損マウスにおけるglucose-6-phosphateやFructose-6-phosphateなどの物質はほとんど認めなかった。 TCA回路を含むミトコンドリアはピルビン酸を取り込むCarrierやchannelがBsg-MCT axis以外にも存在する事に起因すると考える。高脂肪食負荷モデルに対し、BsgをsiRNAを頸静脈的に投与し、脂肪性肝疾患が抑制されるか否か、に関して、複数の特徴的配列を有する組み合わせを使用し治療実験を行った。投与により、一部の肝臓に関する血清学的指標に若干の改善を示す効果を認めるが、著明な効果を示すとは判断し難い。今後、同配列の調整を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Bsgの制御やモノカルボン酸の細胞内輸送、ヒト糖尿病におけるBsg発現と腎尿細管局所の内因性代謝物に関する相互関係については、実験動物モデルやヒト検体を使用し、概ね検証を行った。その実験結果より、一定の見解を得ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
乳酸やピルビン酸などのモノカルボン酸を基質として利用する肝細胞や腎尿細管細胞は、臓器によりBsgが複合体を形成するMCTsが異なる。そのMCTはBsgと共に、乳酸やケトン体を細胞内から循環血液中に排出し、各臓器へ輸送し、臓器間のエネルギー恒常性を維持する。また、筋肉細胞からのアミノ酸は、モノカルボン酸の不足時には肝臓や腎臓へ輸送され、エネルギー恒常性の維持に一部補完的な役割を果たす。これまでの解析では、Bsg遺伝子欠損における全てを補うことはできず、保管は一部にとどまる。この代償に関わるアミノ酸は数種類に限られており、代償機構のトリガーを含めた解析をさらに進める。 昨年、推進方策にあげたBsg遺伝子欠損マウスにおける脂肪酸ベータ酸化からケトン合成経路の活性化について、ミトコンドリア呼吸の観点から、最大酸素消費量と呼吸商の検証を行った。想定に反し、Bsgの遺伝子欠損マウスと野生型の間で最大酸素消費量と呼吸商に有意な差を認めなかった。この結果が上記の代償機構の存在を裏付けるかどうか、不明であるが、骨格筋に関する検証もさらに進める必要性があると考える。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Basigin deficiency prevents anaplerosis and ameliorates insulin resistance and hepatosteatosis2022
Author(s)
Ryuge A, Kosugi T, Maeda K, Banno R, Gou Y, Zaitsu K, Ito T, Sato Y, Hirayama A, Tsubota S, Honda T, Nakajima K, Ozaki T, Kondoh K, Takahashi K, Kato N, Ishimoto T, Soga T, Nakagawa T, Koike T, Arima H, Yuzawa Y, Minokoshi Y, Maruyama S, Kadomatsu K
-
Journal Title
JCI Insight
Volume: 6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access