2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K08641
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹中 恒夫 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (90179656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アリフ・ウル ハサン 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (00570368)
西山 成 香川大学, 医学部, 教授 (10325334)
宮崎 孝 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30265417)
丸茂 丈史 国際医療福祉大学, 基礎医学研究センター, 教授 (70265817)
石井 直仁 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80212819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クロト |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、分泌型クロト蛋白補充が片側尿管閉塞(UUO)におけるEMTと線維化をTGF-β受容体阻害により抑制するかを検証するため、in vivoとin vitroの実験を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症のため動物実験室への立ち入りが禁止され、動物実験は行えなかった。次年度、動物実験室への立ち入りが可能となり次第、今年度遅れていた実験を合わせて行う予定である。 よって、今年度は細胞実験を主に行った。In vitroでは培養遠位尿細管細胞を用いクロトに対するsiRNA投与群と対照群を作成し、FGF23を各々の培養液中に添加してBMP7発現等をRT-PCR、Egr-1等の変化をWBで比較検討する予定であった。しかし、遠位尿細管細胞では内因性クロト発現が不安定であったので、内因性クロトを発現しているヒト胎児腎(HEK)細胞を用いた。 HEK293細胞は恒常的に内因性klothoを発現しており、siRNAによって十分にklotho発現が抑制された(p<0.01)。この時点でklotho発現が低下した細胞ではBMP7発現は低下していた(p<0.01)。多因子分散分析によると(R2=0.68)、FGF23は時間(F=16.2、p<0.001)及び濃度依存的(F=6.6、p<0.05)にBMP7発現を抑制した。また、クロトの存在はFGF23のBMP7発現抑制作用に促進的に働いていた(F=29.2、p<0.001)。 HEK293細胞において内因性クロト自身はBMP7発現を正に調整していた。BMP7発現がTGFβで抑制されるという報告もある。クロト発現抑制によるBMP7発現の低下にTGFβが介在している可能性について今後、研究を掘り下げる予定である。 一方、クロトはFGF23の受容体の一部を構成するので、FGF23はクロトを介したシグナルでBMP7を負に調節していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のため動物実験室への立ち入りを禁止する等の大学の方針に従い、一時的に特に動物実験を中止せざるを得なかった。動物実験ができない期間は細胞実験等の別の研究を行い、結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、動物実験室への立ち入りが可能となり次第、予定しているアルドステロン高血圧モデルを用いた研究に加えて、今年度遅れていた片側尿管閉塞モデルを用いた実験を合わせて行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため動物実験室への立ち入りを禁止する等の大学の方針に従い、一時的に特に動物実験を中止せざるを得なかった。動物実験ができない期間は細胞実験等の別の研究をを行い、結果を得た。次年度、動物実験室の立ち入りが可能となり次第、研究を再開する。
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Research Products
(10 results)