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2020 Fiscal Year Research-status Report

表皮のNotchシグナルは皮膚免疫を調節するのか?

Research Project

Project/Area Number 20K08662
Research InstitutionKindai University

Principal Investigator

森山 麻里子  近畿大学, 薬学総合研究所, 准教授 (40595295)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords皮膚 / 乾癬 / Notchシグナル / 創傷治癒 / 免疫
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は、表皮特異的Hes1cKOマウスでの創傷治癒の遅延、創傷部位の化膿、イミキモド誘発性乾癬モデルでの乾癬悪化について、免疫細胞の同定を行った。特にイミキモド誘発性乾癬モデル表皮での免疫細胞について、それぞれの免疫細胞をフローサイトメトリー、表皮whole mount染色、ならびに凍結切片での免疫染色にて解析した。結果、表皮特異的Hes1cKOマウスの表皮では活性化したランゲルハンス細胞が増加していること、皮膚(真皮)にマクロファージが増えていること、逆に好中球は減少していることが示された。また、定常状態の表皮特異的Hes1cKOマウスの表皮に関しても免疫細胞の局在や種類などについて調べているが、特に大きな差異は見られていない。このことから、表皮特異的Hes1cKOがもともと表皮が脆弱なために乾癬になりやすいというわけではなく、toll-like受容体へのシグナルが入った後に何らかの異常が起こっているのではないかと考えられる。
また、表皮特異的Hes1cKOマウス表皮でどのようなシグナルが活性化しているのか解析するため、定常状態、創傷3日目、イミキモド塗布後3日目のコントロールマウス表皮ならびに表皮特異的Hes1cKOマウス表皮からRNAを精製し、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析を行った。現在得られたデータより、創傷治癒もしくは乾癬発症Hes1epicKOマウスで発現の変動する遺伝子や、シグナル伝達経路を明らかにしようと取り組んでいるところであり、既に一部の候補遺伝子に関しては、表皮特異的Hes1cKOマウスの表皮cDNAを用いた定量的PCRでの検証も始めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題では、表皮におけるHes1の発現が皮膚免疫を調節する可能性について、そのメカニズムも含めて解明したい。具体的には、表皮特異的Hes1コンディショナルノックアウトマウス(Hes1epicKO)を用い、創傷治癒、乾癬発症時における解析を行うと考えていた。また、当該年度には以下のことを明らかにしようと計画していた。
(1)創傷治癒、乾癬発症時において、皮膚に浸潤する免疫細胞の同定と局在を明らかにする
(2) 表皮ケラチノサイトに発現する遺伝子の網羅的発現解析を行い、Hes1epicKOにおける創傷治癒遅延、乾癬悪化のメカニズムを分子レベルで明らかにするため、次世代シークエンスによる網羅的遺伝子発現解析を行う
(1)に関しては、2021年度も含む計画案であったが、一通りの解析は終了し、傾向はつかんだと言える。さらに、もともと計画にはなかった定常状態での表皮における解析も行った。(2)に関しては、現在解析中であり、計画通りに進んでいる。
以上のことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

マウス個体による個体差が大きな案件であるので、免疫細胞の局在や種類について、さらにN数を増やして検討を行う。また、浸潤量に違いが見られた免疫細胞についてはwhole mount染色や皮膚切片での免疫染色を行い、その局在についても確かめる。
また、RNA-seq解析により得られた遺伝子、シグナル伝達経路に対し、定量的PCR、ウェスタンブロッティング、in situハイブリダイゼーション、免疫染色などを用い、検証を行う。
最終的には、表皮特異的Hes1cKOマウスにおける炎症性サイトカイン発現の上昇が直接的なものか、バリア機能破綻による二次的要因であるか確かめるために、Hes1epicKOマウス皮膚より表皮ケラチノサイトを樹立する。乾癬の重要なメディエーターであるIL17aなどでケラチノサイトを刺激したとき、上記で得られた、免疫に関与すると考えられる遺伝子やシグナル伝達経路が変化するのか検証を行う。

Causes of Carryover

コロナウイルスの影響から出張がほぼなくなり、旅費として計上していた予算を物品費(次世代シークエンスの予算)として支出したため、少し予定していた金額と異なった。また、コロナウイルスの影響より、定量的PCRに使用する消耗品が2021年度には値上がりする予定と業者より伺ったため、少し次年度に使用額を生じさせる計画とした。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Hes1の皮膚における新たな役割2020

    • Author(s)
      梅田 大輔、森山 麻里子、尾崎 紀文、和田 晃拡、大野 友豊、桐山 大輝、入江 美穂、瀬川 晴菜、早川 堯夫、森山 博由
    • Organizer
      日本薬学会 第140年会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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