2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the clinical influence of Hegehog signaling activation in melanoma.
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20K08679
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
種瀬 啓士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70464815)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / Hedgehogシグナル伝達経路 / GLI1 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫に対しては近年種々の治療選択肢が得られているが、根治に至る症例は決して多くない。したがって、腫瘍が有する既存の治療標的とは異なる分子生物学的な特性を明らかにし、新規治療標的としての可能性を検討する必要がある。その一つとして、申請者はHedgehogシグナル伝達経路(以下、HHシグナル)に注目している。HHシグナルは膜蛋白質のPatched(PTCH)およびSmoothened(SMO)、リガンド蛋白質のHedgehog(HH)、転写因子glioma-associated oncogene(GLI)を含む細胞内コンプレックスより構成されるシグナル伝達経路である。この中ではSMOがシグナルを活性化させる機能を有するが、通常はPTCHがそれを抑制している。ここにリガンドのHHがPTCHに結合するとPTCHの抑制が解除されてシグナルが活性化し、細胞内コンプレックスよりGLIが核内に移行することで転写が促進される。病理組織におけるHHシグナルの活性化を確認する手段としては、組織標本の免疫染色によって核内に移行したGLI1蛋白質の染色像を得ることが重要であるが、これまでホルマリン固定パラフィン包埋された組織標本において核内に移行したGLI1を適切に反映した染色像が得られる抗GLI1抗体の存在が報告されていなかった。しかし、申請者は基底細胞癌組織をコントロールとして種々の抗GLI1抗体のスクリーニングを行い、ホルマリン固定パラフィン包埋標本におけるGLI1蛋白質の局在を適切に反映する免疫染色に適した抗体を発見、本抗体を用いて悪性黒色腫の腫瘍180例検体中30検体(16.7%)で腫瘍細胞のみならず周囲間質においても同シグナルが活性化していることを確認した。
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Research Products
(3 results)