2022 Fiscal Year Annual Research Report
天疱瘡様自己抗体産生モデルマウスにおける樹状細胞活性化機構
Project/Area Number |
20K08681
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中野 直子 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 客員准教授 (90222166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後飯塚 僚 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (50301552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 表皮自己抗原 / Tfh / B細胞クラススイッチ / cDC1 / HVEM / 表皮細胞ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
天疱瘡は表皮細胞間の接着分子に対して産生された自己抗体により、表皮細胞の接着が障害されることによりひきおこされる。この自己抗体産生には抗原特異的なCD4T細胞が関与しているが、CD4T細胞の自己寛容化を制御する上で自己抗原を提示する樹状細胞の役割が極めて重要である。 本研究では既知の抗原を表皮細胞特異的に発現誘導し、抗原特異的なCD4TCRトランスジェニックおよびBCRノックインマウスを組み合わせることにより、産生された抗体依存的に病気を発症するモデルマウスを作製した。表皮に抗原を発現させると、抗原特異的CD4T細胞はエフェクタータイプの細胞に分化したが、Tregの割合が増加し免疫寛容が維持された。抗原特異的B細胞を共存させると、CD4T細胞の活性化は抑制されていても一部のB細胞はIgG1へクラススイッチした。 樹状細胞の活性化がこれらの細胞の均衡を壊し自己免疫病を誘導する可能性を検討するために、DNA損傷を引き起こす薬剤を用いて表皮細胞にストレスを加えた。初期には皮膚における好中球や樹状細胞の浸潤が亢進し、皮下所属リンパ節ではcDC1およびpDCの割合が一過性に増加した。表皮に抗原を発現させると抗原特異的CD4T細胞にはTfh細胞に特徴的なCXCR5やPD-1、ICOSなどを発現が見られ、表皮細胞ストレスを加えると、これらの遺伝子の発現がさらに上昇し、B細胞活性化を促進することが示唆された。cDC1はTregに抗原提示し免疫応答抑制に関与するが、cDC1に発現するBTLAとT細胞側のHVEMを介した制御が知られている。HVEMをT細胞特異的に欠失させたマウスを作製したところ胸腺細胞分化に異常が認められ、末梢のT細胞も活性化傾向にあった。HVEMはBTLAから抑制シグナルを誘導することから、樹状細胞とT細胞間のHVEMを介した制御機構に注目した解析が今後の課題である。
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Research Products
(1 results)