2021 Fiscal Year Research-status Report
皮膚悪性リンパ腫の包括的な病態解明による新規治療法の提案
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20K08683
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮垣 朝光 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (50582003)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IL-34 / CSF-1R |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-34は、皮膚や神経系に発現するサイトカインで、単球やマクロファージに発現するコロニー刺激因子1受容体(CSF-1R)に結合し、マクロファージを免疫抑制型のtype 2マクロファージに分化させる機能があることが知られている。今回、免疫染色法にて、IL-34が菌状息肉症などの腫瘍細胞に発現していることを同定した。さらに、CSF-1Rが皮膚T細胞リンパ腫の細胞株に発現しており、オートクリン機構を介して、腫瘍細胞の増殖に関与している可能性が考えられた。また、皮膚T細胞リンパ腫の皮膚には、免疫抑制型のマクロファージが増えていることが知られており、IL-34が腫瘍微小環境を腫瘍の成長に有利に整えている可能性も示唆された。このようなIL-34-CSF-1Rの相互作用を破綻させることは、皮膚T細胞リンパ腫の新たな治療選択肢と考えられる。 また、前年度に明らかにした、CD147-Cyclophilin Aの相互作用がERK、Akt経路を介して、皮膚T細胞リンパ腫の増殖に関与しており、その相互作用の破綻が新たな治療の選択肢となり得ることを国際雑誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-34-CSF-1Rの相互作用を破綻させることは、皮膚T細胞リンパ腫の新たな治療選択肢と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、腫瘍細胞上の免疫チェックポイント分子の発現、機能についての解析に集中して、研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
以前の余剰物品があり、消耗品の使用が抑えられたため、次年度使用額が生じた。翌年度は、消耗品を購入する必要があることに加え、マウスを用いた実験を行う予定であり、それらの試薬に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)