2022 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染における表皮・膣上皮resident memoryT細胞の役割
Project/Area Number |
20K08687
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小川 陽一 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20377542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 皮膚免疫 / HIV / resident memory T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト正常表皮には真皮と同様に、resident memory T細胞 (TRM)が存在することが明らかとなり、TRMはCD4陽性細胞とCD8陽性細胞に分類される。したがって、表皮CD4陽性TRMはHIVの初期感染標的細胞になりうる。TRMは2つのマーカー (CD69とCD103)で定義されるが、表皮CD4陽性TRMはCD69+でCD103+とCD103-の2分画に分類される。これまでの研究でCD103+分画とCD103-分画でHIV受容体発現に差異があることが明らかとなったが、HIV感染率については両分画に差異はなく両者ともHIVに感染する。次に両分画における内因性抗HIV分子の発現をflow cytometoryで検討した。APOBEC3GおよびTIRM5aは両分画で同様に高発現していた。Tetherinおよびリン酸化SAMHD1は両分画でほぼ発現が認められなかった。次に、HIVに感染させた両分画を培養し続け、両分画のHIV感染細胞の生存率をannexin V stainingを用いてflow cytometryで検討したところ、CD103-分画HIV感染CD4陽性TRMはCD103+分画HIV感染CD4陽性TRMと比較してアポトーシスに陥りにくいことが明らかとなった。これは、前者分画に感染したHIVは潜伏感染状態に入るためと仮説をたて、HIVの潜伏感染について検討を行った。HIV GKO (dual color reporter virus)を両分画に感染させ、productiveなHIV感染細胞とlatentなHIV感染細胞をflow cytometryで同定したところ、仮説のようにCD103-分画HIV感染CD4陽性TRMはD103+分画HIV感染CD4陽性TRMと比較してHIV感染後、潜伏感染状態に入る細胞が多いことが明らかとなった。
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[Journal Article] Characterization of human epithelial resident memory regulatory T cells.2022
Author(s)
Sato T, Ogawa Y, Yokoi K, Nagasaka Y, Ishikawa A, Shiokawa I, Kinoshita M, Watanabe R, Shimada S, Tanaka A, Momosawa A, Kawamura T.
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Journal Title
Front Immunol.
Volume: 13
Pages: 962167
DOI
Peer Reviewed / Open Access