2022 Fiscal Year Research-status Report
皮膚筋炎におけるRNA編集酵素ADAR1の自己免疫応答ともたらす病態
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20K08688
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室 慶直 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80270990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 通浩 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60319324)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ADAR1 / 炎症性ミオパチー / 間質性肺炎 / 疾患モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究によりこれまでに、RNA編集の機能分子であるADAR1 (adenosine deaminases acting on RNA 1)に対して特異的に自己抗体を有する急速進行性の間質性肺炎を合併した皮膚筋炎患者を独自のELISAの系を構築することによって見出すことができた。ADAR1は細胞内ウイルスセンサーであるMDA5(皮膚筋炎の代表的な自己抗原でもある)やMAVSを介したI型IFNシグナル伝達の過剰な活性化を抑制することにより、“自己”のRNAによる自己炎症・自己免疫を制御しているが、同タンパクに対する自己抗体陽性者は、抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎患者の臨床に非常に類似する、進行性の間質性肺炎を有していたことも判明した。 そこで、さらにADAR1に対する自己抗体の病理学的意義を解析するために、マウスにADAR1タンパクを免疫し、疾患モデルマウスの構築を目指した。ところが、予想外にマウスのADAR1のリコンビナントタンパクの大腸菌内発現が困難で、遺伝子改変によるタンパク質産生量を増加させるコドン最適化を図ってみたが、そのタンパクも非常に分解しやすく、大量発現精製は困難であるという結論に至った。 現在、市販ヒトADAR1リコンビナント蛋白を用い、マウスへの免疫実験を試みており、ヒトのADAR1リコンビナント蛋白を免疫することにより、マウスの血清中にマウスのADAR1に対する自己抗体を誘導できることを確認した。現在、自己抗体産生を誘導できたマウスの肺、筋肉、皮膚等の臓器病変を病理学的に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスに免疫するリコンビナントタンパク(マウスADAR1)の発現精製が予想外に困難であったため、遺伝子改変等の工夫を試みたものの、発現精製の効率に改善がみられず、マウスへの免疫実験が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
市販ヒトADAR1タンパクをマウスに免疫することで、マウスADAR1に対する自己抗体が誘導されることが予備実験で判明し、さらに肺や筋肉に炎症性変化を惹起する可能性が示唆されている。このような状況を鑑み、市販ヒトADAR1タンパクを大量に購入し、複数匹のマウスへの免疫実験を施行し、皮膚、筋肉、肺病変の確認と組織における免疫学的解析を施行していく。
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Causes of Carryover |
マウスのリコンビナントタンパクの調整が困難で、大量発現および精製への実験に進むことが出来なかった。その後の実験で、市販ヒトリコンビンナントタンパクを購入し、使用することで当初の目的が遂行できる可能性が示唆されたので、市販品の大量購入を予定している。
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Research Products
(5 results)