2022 Fiscal Year Annual Research Report
乾癬モデルマウスにおける表皮resident memory T cellの解析
Project/Area Number |
20K08696
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
多田 弥生 帝京大学, 医学部, 主任教授 (00334409)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾癬は皮膚の紅斑・表皮の肥厚・隣屑を特徴とする慢性炎症疾患で、その病態にはIL-17/IL-23サイトカインネットワークが重要である。近年、マウス皮膚へのイミキモド連日塗布によって、乾癬様皮膚炎を誘導できることが判明し、乾癬モデルマウスとして広く使用されている。最近ヒトで、乾癬に特徴的なresident memory T cell (TRM)が治療後の寛解時においてもIL-17A産生能を持ったまま病変部の表皮に残存していることが報告され、皮疹の再燃に関与していると考えられる。今回我々は、乾癬モデルマウスの表皮においても同じ特徴を持ったTRMを確認することに成功し、その細胞の病態への関与について検討した。剃毛したマウスの背中にイミキモドクリームを6日間連続塗布して乾癬様皮膚炎を誘導し、イミキモドクリーム塗布終了日から4週間後の皮膚を採取して、表皮にTRMが存在しているかどうかフローサイトメトリーを用いて解析した。イミキモドクリーム塗布終了から4週間後のマウスでは、臨床的に対照群と差は無かった(皮疹は中断後自然軽快)。しかしながら、IMQ群の表皮においてTRM(CD8+CD69+CD103+)の存在が確認でき、そのほとんどがCD49a-を示していた。今回我々が表皮で確認したTRMは、最近乾癬患者で報告された細胞の特徴と一致していた。また、表皮細胞との共培養により、活性化される傾向も認められた。T細胞の刺激により、サイトカインの産生促進も認められ、乾癬の増悪に関与する可能性も示唆される検討結果であった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Serum levels of angiogenesis-related factors in patients with psoriasis.2023
Author(s)
Watanabe A, Kamata M, Shimizu T, Uchida H, Sakurai E, Suzuki S, Nakajima H, Niimura Y, Ito M, Egawa S, Nagata M, Fukaya S, Hayashi K, Tanaka T, Ishikawa T, Tada Y
-
Journal Title
J Dermatol.
Volume: 50
Pages: 222-228
DOI
Peer Reviewed
-