• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

The role of inflammasome in steroid refractory graft-versus-host disease after allogeneic stem cell transplantation

Research Project

Project/Area Number 20K08704
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

東梅 友美  山形大学, 医学部, 講師 (40802111)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords移植片対宿主病 / 同種造血幹細胞移植 / インフラマゾーム / ステロイド抵抗性 / メタボライト
Outline of Annual Research Achievements

同種造血細胞移植後の重篤な合併症の一つである、移植片対宿主病(graft-versus-host disease)の第一選択薬として使用される副腎皮質ステロイド剤に抵抗性となった場合の予後は著しく不良である。予後の改善には、病態解明が不可欠であり、病態に即した予防・治療法の開発が急務である。我々は米国においてステロイド不応性GVHDのマウスモデルを作成したが(Toubai, et al. Sci rep 8: 12475, 2018)、本邦における異なる飼育環境下での再現性を検証した結果、同モデルが有用であったことから、現在、病態解明に向けた研究を継続している。
異なった飼育環境下での重要な相違の一つに腸内細菌叢の変化がある。移植免疫領域では、腸内細菌叢の多様性喪失が、腸管GVHD発症と関連することが報告されて久しいが、近年では、腸内細菌叢から産生されるメタボライトとGVHD発症との関連性が注目されている。そのため、本年度は、臨床的に近いマウスモデルである主要組織適合抗原一致、マイナー抗原不一致モデルであるC3H.sw→B6系を用い、メタボライトとアロ免疫反応との関連を検討した。その結果、同種移植ではCholine,Trimethylamine N-oxideなどのコリン代謝経路に関わるメタボライトや,Kynurenine,Picolinic acidなどのトリプトファン代謝経路に関するメタボライトなどが同系移植に比較して増減していることを確認した。また階層的クラスタリング解析では,同種移植後に変動を示したメタボライトはプロファイル上、類似性が示された。本結果より,同種移植後早期の腸内細菌由来メタボライトの変動はアロ免疫反応と密接に関連していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上記の研究実績の概要に記載したように、我々の研究ではGVHDにおいて腸内細菌叢に由来する特定のメタボライトがアロ免疫反応と関連している可能性を明らかにした、腸内細菌叢のメタボライトはインフラマゾームの影響を受けることが知られており、NLRP6欠損マウスをステロイド不応性GVHDモデルに用いることで、ステロイド不応性とインフラマソーム及びメタボライトの関連性を明らかにすることを目指しているが、NLRP6欠損マウスの繁殖に時間を要したこと、COVID-19の影響で医学部学生の研究補助ができず、主任研究者の研究時間の確保が厳しかったことから、やや遅れていると判定した。

Strategy for Future Research Activity

腸内細菌叢の多様性及びメタボライトの変化に影響を及ぼす物質に一つに、インフラマソームがあげられる。その一種であるNOD-like receptor family pyrin domain containing 6 (NLRP6)は主に消化管上皮や樹状細胞などに発現し、正常腸内細菌叢や腸管恒常性の維持に重要な役割を果たしている。一方、我々は腸管上皮におけるNLRP6が腸内細菌叢非依存性に急性移植片対宿主病(graft-versus-host disease)発症に関連していることを報告している(Toubai, et al. Nat Microbiol 4: 800-812, 2019)。これらの研究結果は、NLRP6が多彩な機能を持つ可能性を示唆しており、今後、NLRP6のステロイド不応性GVHDにおける影響をマウスモデルを用いて明らかにする予定である。特に、NLRP6欠損マウスをレシピエントとした同種移植を本格的に実施し、ホスト側要因としてのNLRP6の機能とステロイド不応性との関連を検討する予定である。また、本研究で明らかになったアロ免疫反応にて変動を示したメタボライトがステロイド不応性GVHDを発症したNLRP6欠損マウスにおいて、どのように変化するかを明らかにすることで、NLRP6の本来持つ組織修復機能障害とステロイド不応性GVHDとの関連が解明されることが期待される。

Causes of Carryover

当該年度は学会が全てオンラインまたは延期となったため、旅費の支出が少なく、学生アルバイトの雇用もできなかったので、次年度使用額がわずかながら生じた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 同種造血幹細胞移植後のステロイド不応性GVHDのメカニズムに関する最新の知見.2021

    • Author(s)
      東梅友美,鳥居由佳
    • Journal Title

      炎症と免疫

      Volume: 29 Pages: 57-62

  • [Journal Article] ステロイド抵抗性GVHDの病態と治療2021

    • Author(s)
      東梅友美,鳥居由佳
    • Journal Title

      血液内科

      Volume: 82 Pages: 388-393

  • [Journal Article] Immunopathology and biology-based treatment of steroid-refractory graft-versus-host disease2020

    • Author(s)
      Toubai Tomomi、Magenau John
    • Journal Title

      Blood

      Volume: 136 Pages: 429~440

    • DOI

      10.1182/blood.2019000953

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi