2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of coagulation and fibrinolytic functions and vascular endothelium-platelet interaction using disease-specific iPS cells
Project/Area Number |
20K08710
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 秀人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80623842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 特命研究教授 (50193967)
鈴木 優子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20345812)
田中 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50456563)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 疾患特異的iPS細胞 / 血管内皮細胞 / 血小板 / 凝固線溶系 / 遺伝子編集 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
疾患特異的iPS細胞の血管系細胞分化について、効率の良い条件検討を行っている。昨年度より行っているKimら(Tissue Eng Part A. 2013)の方法に加え、Wimmerら(Nature 2019)の方法についての検討も行っている。Wimmerらの方法では中胚葉系細胞分化から内皮細胞、平滑筋細胞の両細胞へ分化させスフェロイド形成を経て、よりin vivoに近い血管発芽アッセイを行うことができる。Matrigel等の納入がコロナ渦で遅延していたが、納入後は遅れを取り戻しつつある。 iPS細胞からの血小板分化系確立についても条件検討を行っている。分化させた巨核球より血小板の分離の効率化が難航しており、既報を参考に改良を進めている。 一方で、内皮細胞株(EA.hy926)にてCRISPR/Cas9を用いて樹立したPAI-1欠損内皮細胞において非常に興味深い表現系が観察され、さらなる解析を進めている。巨核球細胞株であるMEG-01細胞においては、iPS細胞から分化させた巨核球同様、血小板分化のより効率の良い方法を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトでは、iPS細胞由来血管内皮細胞の分化効率化は非常に重要なポイントである。この条件検討は、既報を元に現有設備での再現化を図っており、整備されつつある。遺伝子欠損iPS細胞は、細胞の初期化によりリプログラミングされているため血管発生等の解析に適していると考えられる。一方で疾患における血管新生は成熟した細胞によるものであるため、iPS細胞より細胞株による解析が適している。その点でゲノム編集による遺伝子欠損細胞株を用いた、疾患モデルの解析は重要である。iPS細胞での解析と、細胞株を用いた遺伝子操作細胞を同時並行で解析していくことを考えている。MEG-01巨核球細胞は血小板分化で有用な培養株であるため、トロンボポエチン等による分化の実験系の確立を行っている。内皮細胞同様、iPS細胞由来血小板、細胞株由来血小板の両系統を活用することにより、病態モデルの再現を目指している。 また、3次元血管オルガノイド培養系の導入を開始し、血管新生の解析及び血液細胞の還流を行うことによる細胞間相互作用の検討を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
①フィーダーフリーiPS細胞から効率よく分化させた血管内皮細胞の内皮細胞機能の確認を行う。②コントロール分化細胞とPAI-1欠損iPS細胞由来分化細胞の比較を行う。③iPS細胞より血小板への効率の良い分化系の確立。④血管内皮細胞上での血小板の機能解析(凝固線溶解析)。⑤3次元血管オルガノイドによる、よりin vivoに近い系での解析 以上、順路建てて効率よく作業を進め、結果を得ていく。 また、ゲノム編集で樹立したPAI-1欠損内皮細胞株による、血管新生における分子的なメカニズムの解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
コロナ渦により、物品の搬送の遅延、試薬や消耗品(プラスチックやPCR関係)の納入遅延などが生じ、予定していた予算の執行が次年度に繰り越されたものが多かった。また予定していた学会参加(学会未実施)の予算を、本研究と関係する新たな3次元血管モデルの樹立に用いることにしたが、海外からの搬送遅延により納入及び支払いが次年度になった。
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Research Products
(2 results)