2021 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来間葉系幹細胞-造血幹細胞における代謝経路解析:抗加齢作用に注目して
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20K08721
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
中山 享之 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00456659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 忍 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00342965)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ebf3 / shRNA / ノックダウン |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞の制御機構の解明は、大きな学術的課題であり鋭意研究がなされている。しかし完全に解明された訳ではない。我々は、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)が骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)よりも造血支持において優れていることを見出した。両者における遺伝子発現の差異を解析することによってどの遺伝子が造血に強く関与しているか同定するのは、容易と思われた。しかしながらこれまでの報告によれば、造血に直接作用するSCFやG-CSFといったサイトカインやVCAM-1等の接着因子の発現量は、ADSCとBMSCにおいて、ほぼ同等であった。そこで代謝経路に着目して解析を進めた。これまでの研究では、骨髄nicheと考えられている間葉系幹細胞(CAR細胞と名付けられている)においては転写因子Ebf3が豊富に発現されており骨芽細胞への分化を防ぐことにより造血支持能を維持することが報告されている。そこで、我々は、まずADSCとBMSCを脂肪細胞ならびに骨芽細胞誘導培地にて培養し分化の程度をvon Kossa染色とオイルレッドO染色にて評価した。BMSCは、脂肪細胞と骨芽細胞に分化したが、ADSCにおいては脂肪細胞への分化は認められたが、骨芽細胞にはほとんど分化しなかった。そこでADSC におけるEbf3の発現をsemi quantitative PCRにて確認したところ豊富に発現していた。そこでADSCにおけるEbf3をshRNAにてノックダウンして機能の解析を試みた。しかしながら一過性トランスフェクションによるノックダウンはうまく機能しなかった。そのためレンチウィルス等による安定株の樹立を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中央臨床検査部に所属しているが、COVID19の蔓延により以下のような社会的要請があり、それに対応するため研究のエフォートが減少してしまったため。 1. COVID19 PCR検査体制確立等 2. 院内感染予防対策
またADSCへの遺伝子導入が、予想しているより困難であったため
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Strategy for Future Research Activity |
Ebf3がshRNA等にてノックダウンされているADSCの安定株を樹立する。その後、造血支持能を含めた形質の変化やmorphologyの変化を解析する。造血支持能は、共培養法やマウスへの移植実験などにより評価する。Ebf3が直接造血に関与するわけではないのでプロテインアレイなどを用いてeffectorとなるタンパクを同定する。候補が絞り込めたらEbf3からそのeffectorタンパクまでのシグナル解析を試みる。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症対策のために研究に割くことができるエフォートが少なくなってしまった。コロナウィルスPCR検出体制などは確立できたため本年度は予定通り実施できる予定である。コマーシャルレベルで使用出来る検査キットや外注検査依頼を利用して研究のスピードアップを図る。
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Research Products
(3 results)