2020 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of the onset and recurrence pattern of intractable acute lymphocytic leukemia based on clone analysis
Project/Area Number |
20K08723
|
Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
真田 昌 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 高度診断研究部長 (20529044)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 急性リンパ性白血病 / 遺伝子再構成 / クローン変化 / 微小残存病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
JPLSG(日本小児白血病リンパ腫研究グループ)で乳児白血病を対象に行われたMLL-10研究登録例のうち、KMT2A(MLL)転座陽性例73例を対象に、MLLならびに転座partner遺伝子であるAF4,ENL,AF9の既知の切断点を網羅するようにイントロン領域も含め設計したcapture baitを用いた次世代シーケンサー(NGS)による配列決定を行い、切断点の同定を行った。その結果、62例(86%)において、ゲノム上の切断点が同定された。比較的稀なpartner遺伝子であったために、partner遺伝子側にベイトが設計されていない転座例においても、KMT2A側のベイトにより4例で切断点を捕捉可能であった。 ゲノム上の切断点に対して相補的なプライマーおよび蛍光プローブを作成し、定量PCRを用いて微小残存病変(MRD)の定量評価を行ったところ、54例で1×10e-4以下での高感度な測定が可能となり、免疫グロブリン遺伝子(IG)再構成でのMRD測定を組み合わせると、ほぼ全例でMRDの定量評価が可能となった。 MLL転座切断点およびIG再構成の両者でMRD評価可能であった測定結果を比較すると、1×10e-3よりも低いレベルでは定量結果の乖離がある症例があり、IG再構成ではMRDが消失しているにも関わらず、MLL切断点では陽性となる症例が散見された。臨床経過を比較するとMLL切断点でのMRD評価で陰性となった症例は、IG再構成で陰性となった症例に比し、再発率が低く、予後は良好であった。分子病態から考えてもMLL切断点を用いることで、より正確な残存腫瘍量を評価できていると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ターゲットキャプチャーシーケンスを用いたMLL切断点の同定は、ほぼ計画通りに完了している。臨床情報も入手済みであり、今後、並行して行っている免疫グロブリン遺伝子再構成による評価と合わせて、詳細なクローン構造の解析と臨床的意義について検討する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ターゲットキャプチャーシーケンスを用いたMLL切断点の同定とゲノム上の切断点を標的とした微小残存病変評価系の有用性を明確とし、次期臨床試験での臨床応用を目指したい。 乳児ALL以外のMLL転座例については十分な検証ができておらず、今後、検体収集を積極的に進める必要がある。
|
Causes of Carryover |
学会がWEB開催になり、コロナ禍に伴う物品の納入時期の遅れにより、残額が生じた。 納入待ち物品については、次年度納品のものもあり、次年度においては残額分も含め使用予定である。
|