2022 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of the onset and recurrence pattern of intractable acute lymphocytic leukemia based on clone analysis
Project/Area Number |
20K08723
|
Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
真田 昌 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 高度診断研究部長 (20529044)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 急性リンパ性白血病 / 遺伝子再構成 / クローン構造 / 微小残存病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性である乳児急性リンパ性白血病(ALL)のクローン構造の特徴を明らかにすることを目的に、JPLSG(日本小児白血病リンパ腫研究グループ)が乳児白血病を対象に行った臨床研究であるMLL-10研究の登録例を用いてクロナリティ解析を行った。今年度は、定量性評価に優れるdroplet-digital PCR(ddPCR)技術を活用して、これまでに行ったNGS解析で同定されたIGH遺伝子再構成ならびにMLL(KMT2A)転座切断点配列の定量さらには非再構成アレル評価を行うことで、クローン構造を明らかとした。 KMT2A-AFF1およびMLLT1陽性ALLでは、複数のIGH-DJ再構成を認めることが多く、ddPCRによる定量評価の結果、白血病細胞の大半を占めるようなmajor cloneはなく、多数のminor cloneで構成される症例も認められた。また再構成を獲得していないKMT2A転座陽性細胞の存在が考えられる症例もあり、より未分化な白血病であると推測された。一方でAFF1やMLLT1以外の相手遺伝子とのKMT2A転座例では、観察される再構成数は限られ、均一のクローンから成っていると考えられる症例が多く、転座相手遺伝子によりクローン構造が大きく異なると考えられた。KMT2A陰性例についても解析を行ったところ、再構成数は多い傾向にあったが、VDJ再構成が多くを占め、AFF1転座例におけるクローン構造とは異なる傾向が明らかとなった。乳児ALLの微小残存病変評価を行うためには、このようなクローン構造の差異を念頭に適切なマーカーを選択することが重要であると考えられた。
|