2020 Fiscal Year Research-status Report
血小板活性化受容体CLEC-2を標的とした抗体医薬の開発とその薬理作用の解明
Project/Area Number |
20K08729
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐々木 知幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40739124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 克枝 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10324211)
築地 長治 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20710362)
白井 俊光 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50710381)
大竹 志門 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50813060)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CLEC-2 / 血小板 / 抗体医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,臨床応用可能な抗CLEC-2薬の開発を目指し,すでに見出した抗体を基盤に,近年の抗体改変技術を応用して血小板活性化能の欠失やフラグメント化などにより血小板減少などの副作用の問題を解決し,同時に,血小板CLEC-2の欠損メカニズムも解明することである. 令和2年度では,すでに見出している抗CLEC-2抗体(ラットモノクローナル抗体2A2B10)のマウス化を試みた.研究の準備段階で,抗CLEC-2抗体(2A2B10)は,クローニングし,配列情報を確認し,リコンビナント化を完了していた.その配列情報から,軽鎖と重鎖のリガンド認識部位である超可変部位を推定し,その部分以外をマウス抗体由来の配列(IgG1, kappa)に入れ替えた発現ベクターを構築し,リコンビナントマウス化2A2B10抗体を作製した.そのマウス化抗体による血小板凝集能はオリジナルの2A2B10と同等であったが,マウスへの投与による血小板CLEC-2の欠損状態の維持の能力は,やや劣った(2/3程度).また,マウス化抗体の収量の効率化も必要であると考え,培養細胞や遺伝子導入法などの検証を進めた.また,抗CLEC-2抗体の認識部位を検証するために,遺伝子組換えCLEC-2の各種欠損変異体(N末部位,C末部位のみなど)の発現ベクターを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度において,2A2B10抗体のマウス化を完了した.マウスを使用した検証のためには,多くの抗体を必要とするが,リコンビナントマウス化抗体の収量が低かったため,検証よりも抗体作製に時間を費やすこととなった.そのため,進捗状況はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
①マウス化2A2B10抗体の大量合成系の確立:現在はCHO細胞を用いたエレクトロポレーション法で遺伝子導入する系であるが,収量は極めて低い.細胞をHEK293細胞に変更したり,遺伝子導入法をリポフェクション法に変更するなどして,収量を改善したい.コドンの最適化も検討する. ②2A2B10抗体のエピトープ解析:発現ベクターを構築済のCLEC-2の各種欠損変異体を用いて,2A2B10抗体の認識部位を同定し,抗体医薬開発のための基礎情報とする. ③マウス化2A2B10抗体の機能改変:抗体医薬開発を進める初期段階として,エピトープ解析結果に基づいて,リガンド結合部位のアミノ酸変異導入による,CLEC-2への結合能を検証する.
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 血小板受容体CLEC-2による関節リウマチの病態形成への関与2020
Author(s)
佐々木知幸, 白井俊光, 築地長治, 小山賢介, 田村彰吾, 大竹志門, 高野勝弘, 長田誠, 佐藤金夫, 波呂浩孝, 尾崎由基男, 井上克枝
Organizer
第42回日本血栓止血学会学術集会(2020.06.18)
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