2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンメチル化酵素MMSETを標的とした多発性骨髄腫に対する新規治療薬の開発
Project/Area Number |
20K08740
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 教授 (00199431)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / ハイリスク染色体異常 / 分子標的療法 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
MMSET活性ドメイン・精製ヌクレオソーム・抗ヒストンH3-K36me2抗体を用いたamplified luminescence proximity homogenous assayによって理化学研究所の低分子化合物ライブラリーをスクリーニングし、一次ヒット化合物を36個同定した。この初期ヒット候補化合物群について、精製MMSETのヒストンメチル化活性阻害をウエスタン法にて確認し、さらにMMSETと構造の類似するヒストンメチル化酵素G9aおよびSETD2を阻害しない5化合物(RK-0080552・RK-0710682・RK-0710684・RK-0710711・RK-0710719)を選択した。この5化合物について、MMSET陽性骨髄腫細胞株に対する選択的増殖抑制・H3-K36メチル化抑制・MMSET標的遺伝子(cyclin D2, IRF-4, ITGB7, SLAMF7)の発現抑制を確認し、RK-0080552とRK-0710682の2つをtrue hitsと選定した。RK-0710682とそのdifluoro analogであるRK-0710745を用い、マウスでのpharmacokinetic試験を行なったところ、毒性所見が見られた。そこで、RK-0080552とその誘導体を用いて毒性試験を行うことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおりにスクリーニングを進め、1次ヒット化合物を決定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で最もpromisingな化合物はRK-0080552で、その誘導体と合わせて毒性試験を行ってin vivo薬効薬理試験に使用する化合物を決定する。引き続き、MMSETとの複合体X線結晶構造解析を行う。その結果得られた立体構造情報を、標的蛋白質への親和性・標的選択性・リガンド効率等の評価に生かして、より強い活性と高い特異性を有する誘導体を設計する。最適化された阻害剤は再度、細胞レベルおよびマウス骨髄腫モデルでの有効性・安全性の評価を実施する。その後、ラットおよび非齧歯類動物(イヌ・サル)を用いた安全性試験と薬物動態試験を実施して前臨床POCを取得し、特許を出願する。
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