2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of allergic and autoimmune responses by ILC2-T cell interaction
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20K08766
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60291267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗 孝紀 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (60294964)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アレルギー / 自然リンパ球 / T細胞共刺激分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究者はマウスにおいてOX40とGITRおよびこれらのリガンドの発現が2型自然リンパ球(以下ILC2)の活性化マーカーとなることを発見した。さらに、ヒトILC2をin vitroで活性化するとOX40およびGITRが発現誘導されることを見出した。そこで、アレルギー患者末梢血のILC2上のこれらの分子の発現解析を行った。その結果、成人アトピー性皮膚炎患者のILC2上のOX40発現が健常人に比し高いことを発見した。同時に、アトピー性皮膚炎の重症度の指標であるPOEMスコアとOX40の発現量が正の相関を示すことを見出した。一方、成人アトピー性皮膚炎患者では同スコアの上昇に応じてOX40発現ILC2が末梢血中で有意に減少することが判明した。すなわち、OX40を高発現する活性化ILC2が重症のアトピー性皮膚炎患者では末梢血で減少することが示された。OX40はT細胞補助刺激分子であり、その細胞内シグナルがT細胞の活性化を促進することから、ILC2においても活性化を促進すすることが想定された。そこで、 ILC2に発現するOX40の機能を明らかにするために、in vitro実験系で、OX40を発現した活性化ILC2上のOX40を架橋し人為的にOX40刺激を加えたところ、2型サイトカインやILC2の皮膚遊走に関与するケモカイン受容体の発現が増強されることが明らかになった。以上の結果から、OX40刺激を受けた活性化ILC2は、そのケモカイン受容体発現増強により末梢血から皮膚等の炎症部位に移動し、アトピー性皮膚炎の病態形成に関与する可能性が示唆された。今後、本仮説を証明するためのさらなる研究が必要である。
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