2020 Fiscal Year Research-status Report
腸管神経系と免疫系の相互作用による全身性エリテマトーデスの病態制御機構の解明
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20K08779
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大和田 高義 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30456016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00202763)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
倉沢 和宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30282479)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / NCX |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性エリテマトーデス(SLE)を代表とする膠原病など自己免疫疾患は免疫応答恒常性の破綻が関与すると考えられているが、その発症機序はいまだ十分明らかにされていない。近年、腸内細菌叢の変化が様々な疾患の病態に関連していることが示唆されている。SLEなど自己免疫疾患においても腸内細菌叢の不均衡(dysbiosis)による免疫機構の異常が深く関与することが考えられている。しかし、その病理的意義は十分に明らかでない。申請者らは神経堤細胞に特異的に発現するホメオボックス遺伝子Ncxのノックアウト(KO)マウスの腸管で一酸化窒素(NO)産生神経の増加に伴う腸内細菌叢のdysbiosisおよび炎症性腸疾患が誘導されることに着目した。2020年度は、T細胞受容体刺激伝達分子ZAP-70の点変異により潜在的に自己反応性T細胞を有するSKGマウスの遺伝子型をバックグラウンドとするNcx-KoマウスのSLEモデル解析を行った。SLEモデルはImiquimodを経皮的投与により作製した。その機序は、過剰TLR7シグナルによる形質細胞様樹状細胞(pDC)の抗原提示能やIL-6およびI型IFNの産生亢進がポリクローナルなB細胞の活性化・増殖を促進することにより自己抗体産生を伴うSLE様の病態が形成されると考えられている。当該年の研究結果は以下の通りである。Ncxの欠損により、1)血清中抗dsDNA抗体の低下および、2)リンパ節内のGC-Tfh細胞の減少を認めた。以上よりNcxは自己免疫疾患における獲得免疫系の中でTfh細胞の分化や機能調節に関与し、そのメカニズムはまだ不明であるが、SLEなど膠原病の病態に深く関わる可能性が示唆された。また現在、同モデルにおけるループス様腎炎について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度に計画したSLEモデルの解析が予定通り実施された。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度から引き続きSLEモデルマウスの解析を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] TCZ might be a risk factor for worsening of ILD, particularly of chronic ILD.2020
Author(s)
Tanaka A, Owada T, Hasegawa A, Hiyama T, Takamura Y, Miyao T, Yamazaki R, Arai S, Maezawa R, Arima M, Kurasawa K.
Organizer
EULAR (European League Against Rheumatism)
Int'l Joint Research