2022 Fiscal Year Annual Research Report
腸管神経系と免疫系の相互作用による全身性エリテマトーデスの病態制御機構の解明
Project/Area Number |
20K08779
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大和田 高義 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30456016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00202763)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
倉沢 和宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30282479)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 自己免疫疾患 / Ncx |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫疾患において腸内細菌叢の不均衡(dysbiosis)による免疫機構の異常が深く関与することが考えられている.しかし,その病理的意義は十分に明らかでない.代表者らは神経堤細胞に特異的に発現するホメオボックス遺伝子Ncxのノックアウト(KO)マウスの腸管で一酸化窒素(NO)産生神経の増加に伴う腸内細菌叢のdysbiosisおよび炎症性腸疾患が誘導されることに着目した.本研究は潜在的に自己反応性T細胞を有するSKGマウスの遺伝子型をバックグラウンドとするNcx-Koマウス(SKG-Ncx-KO)のImiquimod 誘導SLEモデルを使用して実施された.いままでの研究結果は以下の通りである.(1)Ncxの欠損により,血清中抗dsDNA抗体の低下傾向を認めたが野生型マウスと比較して有意差は認められなかった.(2)野生型と比べてNcx-Koマウスで尿中蛋白(アルブミン)の増加を認めたが,腎組織の免疫組織学的解析では補体およびIgGやIgMの沈着についてNck-Koマウスと野生型マウスで明らかな差を認めなかった.(3)SKG-Ncx-KOマウスの関節リウマチモデルの解析ではNcxの欠損により,関節炎は明らかに軽減した.その機序には腸管細胞内の制御性T細胞の増加が考えられた.以上より,自己免疫疾患においてdysbiosisは関与すると考えられるが,当該研究で解析した動物モデルの結果においては, dysbiosis はSLEと比べて関節リウマチの病態に対して強く影響すると考えられた.
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Research Products
(1 results)