2021 Fiscal Year Research-status Report
性ホルモンは経皮感作能を制御し、接触皮膚炎や食物アレルギーの発症に関与する
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20K08780
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
片桐 一元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00204420)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エストロゲン / 接触過敏反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣摘出マウスに、生理的最大濃度を維持する量の徐放型エストロゲン錠を皮内に埋設補充し、ハプテンによる接触過敏反応を誘導したところ、ハプテン種依存性に、接触過敏反応が抑制された。すなわち、TNCBでは接触過敏反応が抑制されるが、Oxazoloneでは抑制されなかった。 エストロゲンが接触過敏反応の感作相か惹起相のいずれに作用しているかを明らかにするために、以下の実験を行なった。惹起相への影響を検証するために、正常マウスをハプテンで感作し、1週間後に脾臓および所属リンパ節細胞をエストロゲン補充マウスに移入し、直ちにハプテンを外用して接触過敏反応を誘導したところ、TNCBでは接触過敏反応が抑制され、Oxazoloneでは抑制されなかった。次に、エストロゲンが感作相に及ぼす影響を検証するために、エストロゲン補充マウスをハプテンで感作し、1週間後に脾臓および所属リンパ節細胞を正常naiveマウスに移入し、直ちにハプテンを外用して接触過敏反応を誘導したところ、接触過敏反応はTNCB、Oxazoloneともに亢進し、エストロゲンは接触過敏反応の感作相を増強することが明らかになった。この2つのハプテンによる接触過敏反応の成立メカニズムの違いは、IL-4の関与により規定されているとの過去の報告があり、TNCBでは、IL-4欠損マウスで接触過敏反応が減弱することが知られている。そこで、エストロゲン補充マウスに対して、TNCBによる感作時、惹起時にIL-4を全身投与したが、減弱した接触過敏反応は回復しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに課題を検討している
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Strategy for Future Research Activity |
女性ホルモンの皮膚への影響と対比させる形で、男性ホルモンが皮膚及ぼす影響にに関する研究を追加予定。皮膚バリア機能および皮膚バリア機能異常を介した皮膚免疫応答について検討予定。
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Causes of Carryover |
エストロゲン、プロゲステロン徐放錠が高額なため、残額で購入できず、次年度に繰り越して使用する方針とした
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