2022 Fiscal Year Research-status Report
マスト細胞分泌顆粒プロテオミクスを活用したアレルギー治療標的候補遺伝子の探索
Project/Area Number |
20K08784
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90380667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 廉 東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (00339003) [Withdrawn]
中村 史雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10262023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マスト細胞 / 分泌顆粒局在タンパク質 / プロテオミクス / 遺伝子ノックダウン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マスト細胞の分泌顆粒に局在するタンパク質を特異的に回収し、プロテオーム解析を行うことで、分泌顆粒の形成・維持・機能・再生に関わる遺伝子を特定する研究を進めている。これまでに、既知の分泌顆粒局在タンパク質(3種類)の遺伝子導入細胞および抗体ビーズを利用した特定の分泌顆粒の回収技術の確立、プロテオミクスとその解析、候補遺伝子の選定をおこなってきた。本年度は、前年度までに選定した分泌顆粒の形成や機能に関わると思われる34遺伝子について、siRNAを設計、これをそれぞれ一過的に細胞に導入して機能を抑制(ノックダウン)し、野生型の分泌顆粒の形質(構造や個数、細胞内分布、機能)と共焦点顕微鏡によるライブイメージング技術で比較することで、各々の機能の推測を順次進めた。この結果、7遺伝子について明確な変化を確認した。うち1遺伝子はノックダウンにより脱顆粒の頻度が野生型に比べて抑制された。また3遺伝子は平常時の分泌顆粒の形状や局在に異常が認められた(肥大・縮小・分布変化)。さらに3遺伝子は脱顆粒後の分泌顆粒の再集合状態に異常が認められた。これらの遺伝子はいずれもこれまでに分泌顆粒の機能や形成・維持・再生についての関与が報告されていないものであった。現在はそれぞれの遺伝子について、再現性を確認するとともに、これらの結果をサポートする生化学的データを準備している。また、これらの成果をまとめて論文化を進めている。以上の内容を日本生化学会2022年大会(ポスター番号3P-153)にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究申請書に記載した次年度以降の研究計画の通り、本年度はプロテオミクス結果に基づき選出した分泌顆粒結合タンパク質34種について、それぞれをノックダウンして機能を推定した。その結果7遺伝子に分泌顆粒の機能や構造に関係する作用を確認した。現在は各々について機能の精査を進めているが、扱う遺伝子数が多いことから、年度内の論文投稿には至らなかった。また予算や時間的な制約から、当初計画していたノックアウト研究(細胞およびマウス)の実施は困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、「新たな研究法による脱顆粒に関わる遺伝子の特定」という内容で、ここまでの成果を論文にまとめる。そのために、現在までに分泌顆粒への影響が確認されている7遺伝子のうち、特に形質が明瞭なものについて、生化学的な裏付けを得ることで機能を確定させる。
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Causes of Carryover |
研究の遅延のため、年度内には論文投稿がかなわず、その分の額を次年度使用として繰り越しした。次年度はこの使用額を用いて現在準備している成果報告論文の英文校正費と論文掲載費を支払う。
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Research Products
(1 results)