2023 Fiscal Year Research-status Report
マスト細胞分泌顆粒プロテオミクスを活用したアレルギー治療標的候補遺伝子の探索
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20K08784
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90380667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 廉 東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (00339003) [Withdrawn]
中村 史雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10262023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マスト細胞 / 分泌顆粒局在タンパク質 / プロテオミクス / 遺伝子ノックダウン / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マスト細胞の分泌顆粒に局在するタンパク質を特異的に回収し、プロテオーム解析を行うことで、分泌顆粒の形成・維持・機能・再生に関わる遺伝子を特定する研究を進めている。これまでに、既知の分泌顆粒局在タンパク質(Vamp7、Stx3、CD63)の遺伝子導入細胞および抗体ビーズを利用した特定の分泌顆粒の回収技術の確立、プロテオミクスとその解析、候補遺伝子の選定をおこなってきた。本年度は前年度に特定した分泌顆粒の形成や機能に関わる34遺伝子について、脱顆粒への貢献を定量的に調査した。まず顕微鏡画像的に細胞内の分泌顆粒の形状や分布を精密解析する技術を開発した。これを用いて34遺伝子の遺伝子ノックダウンをおこなったところ、それぞれ20-40%の脱顆粒機能の低下が認められた。特に分泌顆粒特異的なV-ATPaseサブユニットに注目し、阻害剤の抑制効果を調べた。並行して34遺伝子のうち特徴的なものについて、それぞれの細胞内局在をライブイメージングで調べた。それぞれに蛍光タンパク質を分子生物学的に連結し、前述の3種類のタンパク質と共発現させることで、分泌顆粒上での共局在の有無を調べた。その結果、プロテオミクスの結果を裏付けることができた。現在これらの結果をまとめた論文発表を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究申請書に記載した次年度以降の研究計画の通り、プロテオミクス結果に基づき選出した分泌顆粒結合タンパク質の機能推定を培養細胞レベルで進めている。主に定量的評価の難しさから、期待する結果を得るまでに試行錯誤する時間をかなり要することとなってしまった。また当初の計画であったノックアウトマウス作成は、予算及び時間的制約から実施困難と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
定量的解析技術をようやく確定できたことから、論文化に必要な34遺伝子の機能評価データを取得しつつある。同時に細胞内局在評価も進めている。年度内の早い時期に一定の結果をまとめ、論文発表をおこない研究の総括とする。
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Causes of Carryover |
研究の遅延のため、年度内には論文投稿がかなわず、その分の額を次年度使用として繰り越しした。次年度はこの使用額を用いて現在準備している成果報告論文の英文校正費と論文掲載費を支払う。
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