2020 Fiscal Year Research-status Report
サンゴアレルギー発症とサンゴ由来蛍光蛋白質の関係解明とアレルギー診断技術への展開
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20K08787
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
加藤 祐子 長崎国際大学, 薬学部, 薬学部薬学研究センター訪問研究員 (40301676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 義史 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (50274478)
河本 正次 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 教授 (90294537)
塩路 幸生 福岡大学, 理学部, 准教授 (80291839)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サンゴ由来アレルギー / サンゴ由来蛍光タンパク質 / 抗原―抗体反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,漁業従事者に重篤なアレルギーを惹起する原因物質を究明する中で,サンゴ由来のタンパク質がアレルギーを引きおこす原因であることを見出しこのタンパク質をAkane と名づけた.これまでにAkaneは赤色蛍光を発する蛍光タンパク質であることも発見した.まず,このAkaneプラスミドから発現させた,組換え体Akane (r-Akane)が,サンゴアレルギー患者血清IgEと,抗原-抗体反応を呈するかを解明することが本研究の最初の目的である.本テーマの解明を行うために,2020年度に実施した研究の成果をまとめた.天然型サンゴの採捕を県に申請しその許可をとり,必要最小限の量を採捕した.そのサンゴ試料から蛍光タンパク質の抽出,精製をおこなった.大学で遺伝子組換え実験の許可をとり,組換え体Akaneタンパク質の発現および精製は, Akane プラスミドを用いて1Lスケールでの培養発現,各種カラムで精製し試料とした.臨床研究をおこなうため,大学の倫理委員会で許可をとりサンゴアレルギー患者血清との抗原―抗体実験をすすめた.
今年度の実験結果の評価は,天然型Akane のみならず,組換え体Akaneにおいても,サンゴアレルギー患者血清との抗原―抗体反応を示すという結果が得られた.この結果は今後,Akane の全配列と相同性が高いDsRed など他の赤色蛍光タンパク質もアレルゲンとなるのかを研究するうえで重要な知見である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はいくつかの大学で,それぞれの専門分野の研究分担者との共同研究体制であり,したがって各大学間での研究打ち合わせを行うことが不可欠となる.しかしながら,2020年2月以来全国的に蔓延しているCOVID-19 コロナウイルス感染症により,県を超える移動が極端に長期間制限されているために,出張して研究の打ち合わせや実験を行うことが難しく,また,研究に必要な種々の試料の調達にも時間を要しているために,研究の進捗状況はやや遅れている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,本研究期間4年間の1年目ではあるが,現在までの進捗状況の理由欄にも記述したように,2020年2月以来,全国的に蔓延しているCOVID-19 コロナウイルス感染症により,県を超える移動が長期間制限されている.2021年度は,この状況が改善することを期待するが,移動ができる時期を見計らい,臨床研究の打ち合わせや実施をおこない,さらに大型分析機器を有する大学などで,研究の進捗,推進を図っていく.
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Causes of Carryover |
2020年度はCOVID-19 コロナ感染症により緊急事態宣言の中,県を超える移動が極端に制限されて,研究分担者との研究打ち合わせなどができず,研究の進捗が遅れた.その結果をうけ,2020年度の研究分担者への分配研究費を,2021年度に繰り越すこととし,研究の推進を図ることとした.
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Research Products
(1 results)