2022 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー受容体オプチニューリンを標的とした新しい関節破壊制御法の開発
Project/Area Number |
20K08791
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 将 北海道大学, 大学病院, 講師 (10755896)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 / オートファジー / オートファジー受容体 / オプチニューリン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は滑膜線維芽細胞においてオートファジー受容体およびオートファジー関連分子がどのようにシトルリン化にかかわるか検討した。 オートファジー受容体の1つであり、incomplete autophagyと関連するp62がシトルリン化にかかわる可能性を検討した。p62をsiRNAを用いてノックダウンした滑膜線維芽細胞において軽度シトルリン化ビメンチンの発現の低下が認められたが、統計学的有意差は得られなかった。 研究期間全体を通じて、滑膜線維芽細胞におけるオプチニューリンの役割について、in vitro実験のデータをまとめ論文発表を行った。(1)オプチニューリンが滑膜線維芽細胞においてTNFおよびIFN-γにより誘導されること、(2)オプチニューリンのノックダウンが滑膜線維芽細胞においてRANKLのデコイ受容体であるオステオプロテゲリンの発現に影響を与えずにRNAKLを誘導すること、(3)オプチニューリンをノックダウンした滑膜線維芽細胞と共培養した単球が破骨細胞に分化すること、(4)オプチニューリンをノックダウンした滑膜線維芽細胞ではNF-κBシグナル伝達経路の活性化が起こること、(5)オプチニューリンをノックダウンした滑膜線維芽細胞において軟骨破壊や骨修復にかかわる分子のdysregulationが起こることを報告した。さらに、オプチニューリンが翻訳後修飾によってもその機能が調整されるという過去の報告を踏まえ、滑膜線維芽細胞におけるオプチニューリンのリン酸化を解析した。TNFおよびIFN-γを用いて滑膜線維芽細胞を刺激したところ、オプチニューリンのリン酸化が有意に亢進していた。これらの結果より、サイトカインとオプチニューリンの発現およびその翻訳語修飾との関連が明らかとなり、また機能の面でも、オプチニューリンが破骨細胞分化、炎症、軟骨破壊、骨修復にかかわることが示唆された。
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