2021 Fiscal Year Research-status Report
補体異常を介する自己免疫性自閉症モデルマウスの作成
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20K08792
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
奥 健志 北里大学, 医学部, 准教授 (70544295)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 補体 / 抗C1q抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
補体古典経路のinitiator proteinであるC1qに対する自己抗体(抗C1q抗体)は全身性エリテマトーデス(SLE)や抗リン脂質抗体症候群(APS)患者の血清中に高率に出現することを我々は明らかにしている(Oku et al, Rheumatology(Oxford), 2016)。更に、抗C1q抗体は補体古典経路の活性化を促し、それによって胎盤炎症と流産を惹起することを我々は報告した(Ohmura, Oku et al, Clin Immunol, 2019)。一方、胎盤および全身性の炎症は胎児の神経発達障害を誘発するとされ ているし、C1qが胎児の神経成長に重要な役割を来すことが知られている。すなわち抗C1q抗体はC1qの機能障害や炎症惹起を介して胎児の神経障害を起こしうる。実際、APSやSLEを罹患する母体から自閉症(ASD)スペクトラムの児が誕生しやすいとの報告もある。また、先行する抗C1q抗体を投与した流産モデルマウスの解析において、仔を出産した場合、ASD様の特徴を認めた数例を我々は確認している。そこで本研究では、balb/c妊娠マウスへの抗C1qモノクローナル抗体(JL-1)を投与することによってASD仔を得て解析することを目的としている(ASDモデルマウス)。 当該年度は、先行実験のとおりにbalb-c妊娠マウスにJL-1を投与することによる流産や胎仔数の減少を確認した。また、先行する流産モデルマウスの実験を参考に条件検討を行っている。JL-1の投与時期(妊娠第2-12日目)、投与量(100ug/kg-1000ug/kg)などの組み合わせと出産の有無・出産仔数や仔の行動異常について解析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来ならば当該年度内にASDモデルマウスを作成し(作成の条件設定を終え)、行動解析に進んでいる予定であった。しかし、現時点ではまだモデルマウス作成の際の条件設定の段階である。 進捗状況の遅れの理由として、COVID-19の当地(北海道)での感染状況に応じて長期間にわたり動物実験が制限されたことと、研究者が転任のため、現施設において研究のセットアップ(認可を含めて)に一定の時間がかかったためである。また、2021年夏以降のCOVID-19流行時には自施設における研究活動にも一定の制約があったことなどが原因として挙げられる。なお、対照群の出産数も少なく、飼育環境・条件の見直しもおこなっている
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Strategy for Future Research Activity |
効率的に研究が推進できるように妊娠マウスを購入して試薬投与することを検討している。また、IL17などサイトカインを妊娠マウスに共投与するなどして病態発現仔マウスの出産率を高めるようにしている。 同時に並行して、ヒトでの大規模データを入手することを検討している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額にわずかな差額が出現したが、次年度に繰り越して適正に使用する
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Research Products
(9 results)