2022 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of IgG4-related disease model and its treatments
Project/Area Number |
20K08801
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉藤 元 京都大学, 医学研究科, 講師 (20422975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患(IgG4-RD)はIgG4の上昇と,多臓器の線維化・腫大・機能障害をきたす疾患である.鍵となる分子であるIgG4の病態における意義は未解明である.そこでヒトIgG4の機能解析を目的に,まず遺伝子組み換えによるIgG4ノックイン(IgG4-KI)マウスを作成しその表現型の解析を行った.C57BL/6マウスIgG1遺伝子定常部分に,ヒトIgG4遺伝子定常部分の一定領域の配列をジーンターゲティング法によって置換した.一方,免疫グロブリン重鎖(IGH)遺伝子の可変領域の配列は保持した.得られたC57BL/6-IgG4KIマウスにおいて,hIGHG4遺伝子のmRNA発現がマウス脾臓で検出された.しかし,hIgG4タンパク質の血清中濃度は低かった.IgG4の産生を高めるために,高ガンマグロブリン血症とリンパ増殖性病態を呈するMRL/lprマウスを使用し,戻し交配によりMRL/lpr-IgG4KIマウスモデルを樹立した.その結果,このマウスでは,血清中のIgG4濃度が有意に高く,脾臓においてIgG4陽性形質細胞と腎糸球体へのIgG4の沈着を認めた.また,唾液腺,甲状腺,肺,胃,膵臓,腎臓,前立腺の炎症スコアリングを行ったところMRL/lprと比較しMRL/lpr-IgG4KIマウスにおいて炎症スコアが有意に高かった.脾細胞の解析においてMRL/lpr-IgG4KIマウスでCD3+B220+CD138+ T細胞(pathogenicな抗体産生B細胞を刺激する機能を有する)が有意に増加していた.ヒトIgG4がマウスのFcγ受容体I(FcγRI)に結合することが報告され,FcγRIは炎症を促進する.したがって,IgG4遺伝子導入は,FcγRIおよびCD3+B220+CD138+ T細胞を介して,炎症病態を促進した可能性が考えられた.
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Research Products
(1 results)