2022 Fiscal Year Annual Research Report
ω-5グリアジン欠失1BS-18小麦の継続摂取による免疫寛容誘導の基礎的検討
Project/Area Number |
20K08802
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森田 栄伸 島根大学, 医学部, 客員研究員 (90182237)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小麦アレルギー / ω-5グリアジン / 免疫寛容 / 好塩基球活性化試験 / 1BS-18ホクシン |
Outline of Annual Research Achievements |
成人の小麦アレルギーの原因は小麦ω-5グリアジンであることを明らかにし、ω-5グリアジン遺伝子座を欠失した小麦系統1BS-18を見出した。 本研究では、この小麦系統の小麦摂取による免疫寛容の誘導の可能性に係る基礎的検討を行うことを目的とした。ω-5グリアジン感作型小麦アレルギー患者を対象として、1BS-18ホクシンパンを継続摂取することにより減感作が達成できるかを検証する臨床研究を行った。方法は、ステップ1では 1BS-18 ホクシンパンを10gから連日摂取開始し、アレルギー症状が見られない場合1週毎に10gづつ増量して最大60まで摂取し、最大摂取量を決定する。ステッ プ2では最大摂取量を3ヶ月間継続摂取して、アレルギー症状の有無、患者末梢血好塩基球の活性化を検討した。ω-5グリアジンに感作された成人小麦 アレルギー患者16名を臨床研究に登録した。ステップ1では、16例のうち14例が1BS-18ホクシンパン60g摂取できた。ステップ2には60g摂取できた14例、40g摂取できた1例、合計15例を登録した。3ヶ月摂取を完了したの は14例で、1例は蕁麻疹が出現して中止した。ステップ2終了後に小麦抗原による好塩基球活性化試験では1例が著明に低下が見られたが、13例 では著明な低下は見られなかった。令和4年度は、ラットの小麦アレルギーモデルを利用して1BS-18ホクシン小麦の感作予防効果を検証した。ラット小麦アレルギーモデルにおいて予め1BS-18ホクシン小麦のグルテンを継続摂取させておくと通常小麦のグルテンやω5-gliadin投与で感作が成立しないことも明らかにした。このことは1BS-18ホクシンに含まれる微量のω5-gliadinは耐性獲得に十分であることも示している。
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Research Products
(3 results)