2022 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular pathophysiology of food allergy in early childhood
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20K08809
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
玉利 真由美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00217184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田知本 寛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40256409)
岩本 武夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90568891)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 遺伝バリアント / STAT6 / TSLP |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はこれまで食物アレルギーとの関連が検討されていない3つのSNVについて検討した。2022年、生後まもなく重症の複数のアレルギー疾患を発症し、アトピー性皮膚炎、好酸球性消化管疾患、食物アレルギー、高IgE血症、好酸球増多症を伴う患者において、STAT6 の遺伝子変異(p.Asp419Asn)が発見され、STAT6の異常な活性化が疾患の原因であることが報告された(JACI. 2022 in press)STAT6のSNPについては、我々のグループがSTAT6(rs167769)と食物アレルギーとの関連について報告しているが(J Allergy Clin Immunol. 2017;140:1713-1716)、今回はそのSNVと強い連鎖不平衡にない2つのSNVを検討した。さらにTSLPのSNVについては、ヨーロッパの集団で気管支喘息、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎、日本人の集団でも気管支喘息、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎と関連するSNV(rs1837253)と連鎖不平衡のないrs1438673について検討した。STAT6(rs1059513), TSLP (rs1438673)と食物アレルギーとの関連は認めなかったが、STAT6(rs11172106)と有意な関連を認めた(P=0.012, OR(95%CI) 1.31(1.06-1.62))。rs11172106は形質細胞様樹状細胞においてSTAT6に強いeQTL効果を認め、食物アレルギーのリスクアレルは発現低下の方向性を示した(効果β=-0.268, P=1x10-37)。形質細胞様樹状細胞はIFN産生をはじめ、ウイルスに対する免疫応答で重要な役割を果たす。研究期間全体を通して複数のSNVと食物アレルギーとの関連が認められ、今後は大規模なGWASにおいての検討が必要である。
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