2021 Fiscal Year Research-status Report
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症における疾患特異的マーカーの検出とその人種別評価
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20K08813
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (50434410)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 / 抗血管内皮細胞抗体 / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテオミクスで同定された抗血管内皮細胞抗体(AECA)の対応抗原であるperoxiredoxin 6 (Prx6)およびmyosin light polypeptide 6 (MYL6) に対する自己抗体を検出するためにELISAをおこなった。血清中の自己抗体は、結節性多発動脈炎患者からの21検体、顕微鏡的多発血管炎患者もしくは多発血管炎性肉芽腫症患者からの21検体、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者からの11検体および健常人からの15検体で測定された。MYL6に対する自己抗体は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者の9%、結節性多発動脈炎患者の5%、顕微鏡的多発血管炎もしくは多発血管炎性肉芽腫症患者の24%で検出され、健常人では検出されなかった。一方、Prx6に対する自己抗体は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者の9%、結節性多発動脈炎患者の5%、顕微鏡的多発血管炎もしくは多発血管炎性肉芽腫症患者の19%および健常人の7%で検出された。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者で抗Prx6抗体もしくは抗MYL6抗体が検出された患者では、ANCAが陰性であった。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の患者数を増やして、他のAECAに関してもその陽性率をELISAで評価するとともに、AECAの臨床的意義について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
追加の血液検体を使用するために必要な生命倫理委員会による書類審査に予想以上の時間を要したことを含め、血液検体の準備に難渋している。その結果、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の検体数を増やして、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症で同定されたAECAの陽性率をELISAで評価するとともに、AECAの臨床的意義について検討する。さらにAECAが血管傷害に関与するか否か検討する。
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Causes of Carryover |
血液検体の準備に時間がかかり、AECAを検出するためのELISAを十分に行うことができなかった。そのため次年度に、ELISAを行うための組み換え蛋白や試薬等の購入に使用する予定である。またAECAが血管傷害に関与するか否かを検討するために、ELISAキットや試薬等を購入する予定である。
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