2020 Fiscal Year Research-status Report
ヘルパーT細胞におけるエピゲノム記憶の人為的修復によるSLE新規治療戦略の創出
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20K08815
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中山田 真吾 産業医科大学, 医学部, 准教授 (60389426)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 濾胞制御性ヘルパーT細胞 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / サイトカイン / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
SLE患者41名と健常者26名の末梢血単核細胞をフローサイトメトリーで解析した。末梢血からメモリーTfh細胞をソーティングして様々な条件下で培養し、Tfh細胞とTfr細胞の機能分子、ヒストン修飾、STATのリン酸化などをフローサイトメトリー、クロマチン免疫沈降法、定量PCRにより解析した。その結果、SLE患者末梢血では健常者と比べてCD4+CXCR5+Foxp3-PD-1hiTfh細胞の割合が増加していたが、CD4+CXCR5+CD45RA-Foxp3hiの活性化Tfr細胞の割合が減少していた。血清IL-2濃度は健常者と比べSLE患者で減少していた。In vitroの検討では、IL-2刺激によりメモリーTfh細胞から機能的Tfr細胞 (CXCR5+Bcl-6+Foxp3hipSTAT3+pSTAT5+細胞)への変換が誘導された。FOXP3及びBCL6の遺伝子座のSTAT結合部位は促進型および抑制型の双方のヒストン修飾で標識された。Tfh細胞をIL-2で刺激すると、抑制型ヒストンマーカーであるH3K27me3の抑制を伴いながらSTAT3とSTAT5がFOXP3及びBCL6遺伝子座に選択的に結合した。最終的に、ex vivoのTfh細胞とB細胞の共培養アッセイ系にIL-2を添加することによりCD38+CD27hi形質芽細胞の分化が抑制された。以上から、SLE患者末梢血では、疾患活動性と相関しながらTfh細胞の増加、Tfr細胞の減少が同時に検出され、これらはSLE患者におけるIL-2の欠損に依存することが明らかとなった。IL-2は活性化したTfr細胞を増殖させるとともに、STAT3とSTAT5のリン酸化を誘導し、両者がFoxp3とBcl-6の遺伝子座に直接結合することでヒストン修飾を変化させて、Tfh細胞からTfr細胞への分化転換を誘導することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに解析、データ回収が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、Tfr細胞への分化転換に関わるゲノム異常(一塩基多型:SNP)の同定、及び、その病因における意義を探索したい。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Conversion of T Follicular Helper Cells to T Follicular Regulatory Cells by Interleukin-2 Through Transcriptional Regulation in Systemic Lupus Erythematosus2021
Author(s)
Hao H, Nakayamada S, Yamagata K, Ohkubo N, Iwata S, Inoue Y, Zhang M, Zhang T, Satoh Kanda Y, Shan Y, Otsuka T, Tanaka Y
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Journal Title
Arthritis and Rheumatology
Volume: 73
Pages: 132, 142
DOI
Peer Reviewed