2021 Fiscal Year Research-status Report
CCL1の阻害による肝硬変の感染抵抗性改善効果について
Project/Area Number |
20K08831
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
土本 雄亮 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (00794760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝井 章 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (30622146)
大濱 日出子 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (60794782)
小谷 卓矢 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80411362)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝硬変 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝硬変患者は腸内細菌叢からの敗血症が死因となる事が多い。肝硬変モデルマウスの肝臓から分離したMφは、肝硬変の敗血症の原因菌のひとつである Enterococcus faecalisに対する抗菌活性が著しく減弱している。肝臓には、常在するMφのKupffer細胞と、炎症に応じて肝臓に浸潤する単球由来Mφが存在する。またMφは、 抗菌活性を持つM1Mφと、抗菌活性を持たずにM1Mφの働きを抑制するM2Mφに大別される。肝硬変モデルマウスの肝臓における単球由来MφがM2Mφである為、抗菌活性 を持たずM1Mφにも変換されず、菌は肝臓から全身へと拡散され、敗血症に至る。本研究の目的は、肝硬変患者の肝臓のM2Mφを除去する事で、腸から translocateする細菌を肝臓で排除し、敗血症死を抑制する事である。 2020年度までに実施した研究内容としては、四塩化炭素を投与することで肝硬変モデルマウスを作成し、肝臓のF4/80+CD14+細胞の性質を評価した。またそのモデルマウスに対してCCL1 antisense ODNを投与することで肝臓のF4/80+CD14+細胞の性質が変化するか検討したが、その性質変化が優位であると証明できなかった。 2021年度に実施した研究内容としては、肝硬変モデルマウスに対してCCL1 antisense ODNのどのような投与方法が、肝臓のF4/80+CD14+細胞の性質を優位に変化させるかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
四塩化炭素投与による肝硬変モデルマウスの作成方法は確立した。CCL1 antisense ODNによる肝臓のF4/80+CD14+細胞の性質変化を認められるものの、様々な評価方法で性質変化を証明することが必要であり、どのような評価方法で証明するかを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
CCL1 antisense ODN投与による肝臓のF4/80+CD14+細胞の性質変化が認められるものの、単一の評価方法でしか評価できておらず、その他の評価方法で証明する必要がある。 また、CCL1 antisense ODN投与によって肝臓における炎症や線維化がどのように変化するかを評価する必要がある。
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Causes of Carryover |
CCL1 AS ODN投与による肝臓のF4/80+CD14+細胞の性質変化の評価を様々な方法で行うことを検討している段階であり、 その評価の実験が行えなかったため、次年度使用額が生じた。 肝硬変モデルマウスを作成し、CCL1 AS ODN投与する研究が引き続き必要である。またマウスの肝臓の細胞評価も必要である。そのため、新たなマウスや試薬を購入する必要があり、その費用に研究費を使用する予定である。
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