2021 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiological significance of glucagon related peptide in diabetes and obesity
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20K08856
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
橋本 博美 (横田博美) 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (30323372)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グルカゴン |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、申請者らが開発に成功したグルカゴンサンドイッチELISA法の原理に基づいて、グリセンチンやオキシントモジュリンに対する特異抗体を作製し、それらの抗体を組み合わせて種々のグルカゴン関連ペプチドを正確に測定できる系を確立することを目指し、グルカゴン関連ペプチドに対するモノクローナル抗体を作製した。これら4種類の抗体を組み合わせることで、グルカゴン、グリセンチン、オキシントモジュリン、及びグリセンチン(1-61)をそれぞれ特異的に測定する系ができる。現在、これらの測定系の精度(Precision)と真度(Accuracy)の確認を行なっている。また、他のグルカゴン関連ペプチドに対する交叉反応試験も行い、特異性が高いことの検証を行なっている。 次に、食事や糖負荷後の生理的動態、及び糖尿病/肥満モデルマウス、あるいは2型糖尿病患者や肥満者の血中濃度を測定し、グルカゴン関連ペプチドとこれらの病態との関連を解析する目的で、遺伝性糖尿病(db/db)、肥満(ob/ob)、食事誘導性肥満(高脂肪食飼育)、薬剤誘導性糖尿病(ストレプトゾトシン投与)モデルマウスを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グルカゴンサンドイッチELISA法の原理に基づいて、グリセンチンやオキシントモジュリンに対する特異抗体を作製し、それらの抗体を組み合わせて種々のグルカゴン関連ペプチドを正確に測定できる系を確立することを目指し、グルカゴン関連ペプチドに対するモノクローナル抗体を作製している。さらに、これら4種類の抗体を組み合わせることで、グルカゴン、グリセンチン、オキシントモジュリン、及びグリセンチン(1-61)をそれぞれ特異的に測定する系の構築、並びに、これらの測定系の精度(Precision)と真度(Accuracy)の確認を行なっている。また、他のグルカゴン関連ペプチドに対する交叉反応試験も行い、特異性が高いことの検証も行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒト用の抗体を用いたサンドイッチELISAによって2型糖尿病患者や肥満者の検体を測定し、各種グルカゴン関連ペプチドの血中濃度に健常者との違いが認められるか検討する。グリセンチンやオキシントモジュリンは弱いながらもグルカゴン受容体とアフィニティがあることや、中枢や脂肪組織に作用して食欲抑制やエネルギー消費亢進を介し、体重減少効果を持つことが示唆されており、糖尿病や肥満の病態との関連が予想される。従って、本研究の成果は糖尿病、肥満に対する新しい診断法や予防法、治療法の開発につながる可能性が期待できる。
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